立山黒部アルペンルートは、富山側の立山駅と長野側の扇沢駅を、個性的な6つの乗り物で結ぶ観光ルートです。最高点の室堂駅は標高2,450メートル。登山者でないと到達できないような高所まで、乗り物に乗り継ぐだけで到達できるのです。この記事では、夏休み最初の週末に、富山側から長野側へアルペンルートを旅行した経験に基づいて、
アルペンルートを効率よく移動するための混雑攻略法について解説します。
立山黒部アルペンルートとは?
立山黒部アルペンルートは、富山県側の立山駅と長野県側の扇沢駅を結ぶ観光ルート です。立山連峰、黒部湖(黒部ダム)、後立山連峰を抜ける山岳ルートです。
富山側から長野側へ、以下の順で6つの乗り物を乗り継いでいきます。
- 立山ケーブルカー
- 立山高原バス
- 立山トンネルトロリーバス
- 立山ロープウェイ
- 黒部ケーブルカー
- 関電トンネルトロリーバス(現在は「関電トンネル電気バス」)
標高2,450メートルの室堂平や、湿原が広がる弥陀ヶ原の散策を楽しんだり、大迫力の黒部ダムの放水に圧倒されたりと、見どころ満載です。それに、乗り物好きなら、ここでしか乗車できないトンネルトロリーバスに乗車することもできます。
詳しくは、立山黒部アルペンルートのオフィシャルサイトをご覧ください。
アルペンルートを楽しむには待ち時間の最小化が重要
アルペンルートにはマイカーを乗り入れることができないため、移動手段は公共交通機関に限られます。混雑する時期には、30分~1時間、またはそれ以上の待ち時間が発生することがあるようです。この待ち時間をいかに少なくするかが、アルペンルート攻略の最も重要なポイントになります。
乗り物に乗車するために何十分も並ぶよりは、室堂平や弥陀ヶ原の観光や散策に時間を充てたいですよね。
ボトルネックになる乗り物は決まっている?
2016年の夏、富山側から長野側へ、すべての乗り物を乗り継いでアルペンルートを縦断してきました。
そのときに感じたのは、乗り物ごとに明らかにキャパシティに差があるということです。
具体的には、搬器や車両が一組しかないケーブルカー、ロープウェイはキャパシティが少ないです。アルペンルートでは、通り抜けるか、どこかで折り返すか、そのどちらかしかないわけで、キャパシティの大きな乗り物から小さな乗り物に乗り継ぐ駅で混雑が発生します。
立山→扇沢の場合は?
2016年7月下旬に、立山黒部アルペンルートを旅行しました。このときは立山から扇沢へ1泊2日で抜ける行程でした。
ちなみに、立山~室堂を7/23(土)、室堂~扇沢を7/24(日)に移動しました。
- 夏休みの最初の週末
- 北陸は梅雨明け直後で天候は比較的良い
- 前週末は海の日の3連休だった
という条件です。
アルペンルート公式サイトの以下のページで、日ごとの混雑予測が見られますが、今回旅行した日はB(やや混みそう)となっていました。
以下、それぞれの乗り物でのキャパシティや、実際に旅行したときの混雑の様子などをお伝えしたいと思います。
立山ケーブルカー(立山 → 美女平)
立山側から入ると、まず立山ケーブルカーが混雑のポイントになります。キャパシティが少ないうえに、立山駅までは、富山地方鉄道以外に、マイカーで来ることもできます。
ただ、混雑している時間帯が決まっているようで、午前中、特に早い時間が混むことが多い ようです。一日で長野側まで抜ける人たちは、できるだけ早い時間に入ろうとするのためでしょう。
今回は、朝、東京を出発して北陸新幹線→富山地方鉄道を乗り継いで来たため、立山駅には11時頃の到着になりました。この時間帯は、観光客も閑散としていて、それほど混雑はしていませんでした。なので、アルペンルート内で宿泊する場合は、午前の遅い時間にすると、あまり混雑していないかもしれません。
富山側から入る場合は、立山ケーブルカーの乗車時間を予約できます。30日前から予約できますので、希望の時間を予約できてしまえば、長時間待たされる心配はありません。
ということで、まとめると、
- 午前中遅い時間~午後の立山ケーブルカーはそれほど混雑しない
- 午前中の早い時間帯に立山ケーブルカーに乗る場合にはWeb予約をしておく
となります。
立山高原バス(美女平 → 室堂)
前述のように、立山ケーブルカーのキャパシティが少ないため、その立山ケーブルカーに乗車しないと到着できない美女平からの立山高原バスは、それほど待たずに乗れるでしょう。混雑していると、複数のバスを出してくれるようです。
なお、途中の弥陀ヶ原で下車して散策する場合は、帰りに乗車するバス(室堂方面か美女平方面)を予約しておく必要があります。予約は、バス停の近くにあるバス待合室でできます。
立山トンネルトロリーバス(室堂 → 大観峰)
室堂ターミナルから大観峰への立山トンネルトロリーバスも、混雑していると複数台のバスを出してくれるようなので、それほど待つことはないでしょう。
立山ロープウェイ(大観峰 → 黒部平)
一番の混雑ポイント です。今回の旅でも、唯一、混雑の影響で待ち時間が発生しました。といっても、20分程度でしたが…。ちなみに、時刻は午前11時半頃だったと思います。
室堂で立山トンネルトロリーバスに乗るときに、改札でロープウェイの整理券を渡されます。大観峰駅では、整理券の番号順にロープウェイの改札をする仕組みになっていました。大観峰駅は、駅の建物から外に出ることができないため、売店や展望台で時間をつぶすしかありません。ただ、ここからの景色は素晴らしいので、多少の待ち時間であれば退屈はしません。
大観峰には観光スポットはないため、室堂からトンネルトロリーバスに乗ってきた客は、みなロープウェイに乗り継ぐはずです。なので、室堂を何時ごろに出発するかで、ロープウェイの待ち時間が決まってしまいます。今回は、室堂10:45発のバスでしたが、この時間は混雑もそれほどではなかったようです。室堂で散策した観光客が長野側へ抜けようとすると、午後の早い時間あたりが混みそうです。
黒部ケーブルカー(黒部平 → 黒部ダム)
黒部ケーブルカーもキャパシティは多くなさそうですが、ほとんど待ちませんでした。立山ロープウェイがボトルネックになっているためでしょうね。
関電トンネルトロリーバス(黒部ダム → 扇沢)
改札前の人の多さではここが一番でした。日曜日の16時ちょっと前だったと思います。
ここは、アルペンルートを富山側から抜けてきた人たちだけでなく、長野側から黒部ダムを観光しに来て帰宅する人たちも合わさっているためだと思います。
ところが、バスが5台も用意されていたため、あっという間に乗り込むことができました。バスも観光タイプのものではなく、路線バスのようなタイプで、立席でも乗れるので、1台にかなりの人数が乗り込むことができます。
ということで、ここはそれほど混雑ポイントではないと思われます。
上で紹介した「関電トンネルトロリーバス」は2018年11月で運行を終え、2019年にはバッテリーを搭載した「関電トンネル電気バス」がデビューしました。
詳しくはこちら → 電気バス|観光情報|黒部ダムオフィシャルサイト
結局どうすればいいの?
まとめると、
- 旅程が許すのであれば、日帰りでアルペンルートを通り抜ける観光客が多い時間帯を外して予定を組む
- Web予約で希望の時間の立山ケーブルカーを予約する
- 多少の混雑にあっても大丈夫なように、余裕を持った予定を組む
こんなところでしょうか? あまりTipsという感じのものでもないですが、何も準備せずに突入するのと比べると、心構えができるだけでも、多少はマシになるのではないかと思います。
以上、「立山黒部アルペンルート混雑攻略法、立山ケーブルカーと立山ロープウェイが混雑ポイントです!」でした。観光シーズンには混雑するアルペンルートですが、混雑するポイントは決まっています。そこをスムーズに抜けられるように、旅行の計画を立ててみましょう!
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