神奈川県の湯河原にある幕山に登ってきました。幕山の麓にある幕山公園には「湯河原梅林」があり、4000本もの梅が植えられています。2月下旬、梅の花が見ごろを迎えているとのことで、観梅を楽しみつつ、幕山にも登るという一石二鳥のハイキングに出かけたのでした。
幕山公園に咲き乱れる4000本の梅を鑑賞して幕山へ!
幕山(まくやま)は神奈川県湯河原町にある標高626メートルの山です。箱根山の側火山として誕生した山です。
幕山最大の見どころは、南側斜面の幕山公園に広がる4000本もの「湯河原梅林」です。毎年2月下旬~3月上旬に梅の花が開花します。見ごろを迎えつつある幕山公園の梅林を鑑賞して、そのまま幕山に登ってきたというわけです。
幕山自体は初心者向けの山で、南側斜面に付けられたジグザグの登山道は、急登や危険箇所はなく、のんびりと登ることができます。登山道からの相模湾、太平洋や、山頂からの真鶴半島の眺めも素晴らしいです。
今回、歩いてきたコースは以下の地図のとおりです。
幕山公園のバス停からスタートし、幕山の南麓に広がる梅林を散策。散策路はそのまま登山道につながっていて、幕山の南東側斜面を登っていきます。
幕山山頂からは、北側の道へ。幕山の北側から西側をぐるりと周回する登山道を通り、林道を通って、幕山公園の西側へと戻ってくる周回コースです。
今回の主な行程は以下のとおりです。
- 11:10 幕山公園バス停 出発
- 11:40 梅林最高点(散策路から登山道へ)
- 12:10 幕山山頂 到着(お昼休憩)
- 12:30 幕山山頂 出発
- 12:45 南郷山分岐
- 13:10 林道
- 13:45 幕山公園 下山
幕山周回コースのコースタイムは約2時間半。今回は、お昼休憩と観梅も含めて、だいたい2時間半で歩きました。
幕山公園(幕山登山口)への公共交通機関でのアクセス
幕山公園への公共交通機関でのアクセスは以下のとおりです。
- 幕山公園へのアクセス
- 東海道本線 湯河原駅から箱根登山バス「幕山公園」行きに乗車、終点の「幕山公園」で下車(約15分、260円)
湯河原駅の駅前から幕山公園行きのバスに乗車するだけですので、アクセスは容易です。運賃は260円で、交通系ICカードを利用することができます。
湯河原梅林が見ごろの時期には、臨時の直通バスも運転されています。今回は平日に訪れましたが、それでも臨時バスがどんどんと出ている状況。湯河原駅に到着してから5分と待たずに乗車できました。かなり混雑してはいますが、乗車時間は短いので問題ないでしょう。
バスの時刻は、箱根登山バスの以下のWebサイトから検索できます。
【湯河原梅林(東側)】幕山公園南麓に咲く見事な梅を鑑賞!
幕山公園バス停に到着し、幕山公園南麓に広がる梅林「湯河原梅林」を鑑賞します。満開には少し早かったですが、白色、薄紅色などのさまざまな梅の花を楽しむことができました。
バスで幕山公園に到着し湯河原梅林へ
湯河原駅に10時41分に到着する電車でやってきましたが、すぐに臨時の直行バスに乗車できました。幕山公園のバス停に到着したのは11時05分頃。途中、駐車場もありますが、駐車待ちのクルマで渋滞になっていました。平日だというのに、湯河原梅林の人気はすごいですね。
駐車場はいくつかに分かれていて、下のほうに停めるとかなり歩く必要がありそうでしたが、路線バスは幕山公園の入口のすぐ近くまで連れて行ってくれます。
幕山公園バス停のすぐ近くに幕山公園への入場口があります。ふだんは無料ですが、梅の見ごろの時期に開催される梅まつり「梅の宴」の時期は200円。交通系ICカードで支払って入場します。
幕山公園に入ると、目の前には幕山が見えてきます。山の麓に淡い色の梅の花が咲いています。この時期、幕山の南側斜面には葉っぱをつけた木がほとんどありません。つまり、スギやヒノキなどの針葉樹林がないということなので、私のような花粉症の登山者にとっては優しい山ですね。
屋台が出ている広場の脇を抜けると「湯河原梅林」の散策路の入口があります。梅林の中に散策路が通っていて、自由に歩いて観梅を楽しむことができます。
4000本の梅が咲き乱れる湯河原梅林の散策路へ
散策路の入口には、菜の花も咲いていました。菜の花と梅の花の共演もいいですね。
白梅の花です。まだつぼみの花もありますが、それなりに咲いていて、十分楽しめます。これで七分咲きくらいとのことです。
淡い色の白梅の花ですが、青空にはよく映えますね。
一つの枝に白色、薄紅色、紅色の花がつく「輪違い」という梅です。同じ枝かどうかはよくわかりませんでしたが、少なくとも一つの木に白と紅の梅の花が咲いています。
薄紅色の梅の花も、とてもきれいですね。ソメイヨシノの色に近いのでしょうか、とても淡い紅色です。
遊歩道はあちこちに通っていますが、これは幕山への登山道へとつながる遊歩道です。木の階段が整備されていて歩きやすくなっています。とはいえ、土の道なので、観梅だけでも歩きやすい靴がおすすめです。
散策路を少し登っていくと、梅林の向こうに相模湾が見えてきました。このあと標高を上げていけば、もっと良く見えるようになりそうです。
やや濃い紅梅の花。とても鮮やかで目立ちますね。梅の花の種類はよくわからないのですが、よく見ると白梅と紅梅の間にもたくさんの色がありますね。
ということで、梅の花を眺めたり、写真を撮ったりしていたら、梅林最高地点に到着していました。この先は梅の木はありませんが、そのまま幕山山頂への登山道になっています。
【幕山】相模湾と真鶴半島の眺望が素晴らしい幕山に登頂!
梅林の散策路から先、登山道に入ると、幕山の南東斜面にジグザグに付けられた登山道を登っていきます。開けたところからは相模湾を一望! 幕山山頂からは真鶴半島を正面に眺めることができます。
相模湾を眺めながら幕山山頂へ
梅林最高地点の近くから振り返ると、幕山の中腹に大きな岩が連なっているのが見えました。幕山そのものが箱根火山の溶岩ドームですが、その溶岩ドームの岩壁が見えているのでしょうね。このずらりと並ぶ岩壁を歌舞伎の「幕」にたとえたのが「幕山」という山の由来なのだそうです。
この岩壁はロッククライミングでも有名だそうで、梅林の少し上の方でもクライミングを楽しんでいる方々を見かけました。
麓を見下ろしてみると、淡い白色や紅色の梅林を一望できます。
梅林最高地点から先は登山道になりますが、木の階段が整備されていて、登山道としてはとても歩きやすいです。ずっと登りですが、急登や危険箇所は全くないので、登山初心者にもおすすめできる山です。
幕山の南東斜面をひたすらジグザグに登っていきます。歩きやすい道ではありますが、幕山公園バス停と幕山の標高差は約450メートル。高尾山を(ケーブルカーを使わずに)歩いて登るよりも標高差は大きいので、それなりの登山ではあります。
登山道の途中、南側が開けたところからは、相模湾を一望できます。やや風が強いものの、とても良いお天気で、相模湾に浮かぶ初島の奥には、伊豆大島の島影もくっきり見ることができました。
伊豆大島からやや左側(東側)へ目を移すと、湯河原の町並みと真鶴半島を眺めることができます。標高600メートルそこそこの低山ですが、海に近いこともあって、眺望は素晴らしいですね。
山頂直下の分岐に到着。ここを登っていけばすぐに山頂です。
山頂付近はカヤが生い茂っています。カヤの中の道を歩いていくと……
幕山山頂に到着! 散策路の終点(梅林最高地点)から30分ちょっとで山頂に到着しました。
混雑した山頂でおにぎりを食べながら小休止
幕山山頂は周囲をカヤに覆われた広場になっていて、眺望があるのは南側の一部のみ。その南側からは真鶴半島と相模湾を眺めることができます。登山道の途中のほうが視界が開けていたので、眺望は登山道からのほうが良いですね。
幕山山頂はこのとおり! 平日ではありますが、とても良いお天気の日だったので、大勢の登山客で賑わっていました。ベンチなどはありませんが、そこそこの広さがある広場になっているので、みなさんレジャーシートを敷いてランチを楽しんでいました。
山頂広場の端っこに陣取って、持参したおにぎりを食べて休憩します。登っている間は風の音がゴーゴーと聞こえていたのですが、ときおり南風が吹き抜けていくくらいで、思ったほど強風ではありませんでした。
周回ルートで幕山公園へ戻る
幕山山頂からは、北側斜面を下って林道経由で幕山公園に戻るルートを歩きます。山頂直下の分岐から梅林までは約3.5kmの道のりです。
幕山山頂からの北側の登山道も、幅が広め、傾斜は緩やかで歩きやすいですね。
しばらく下ると、お隣の山「南郷山」への分岐がありました。時間が早かったので、南郷山へ寄っていこうかと思ったのですが、どうみても杉林の中を歩いていくようでしたので止めました。
幕山は、梅林がある南斜面にはスギの植林帯がないですが、北側には少しありますね。
南郷山への分岐から、少し急なところを下ります。ややぬかるんでいるところもあったので、慎重に下りました。結局、こちらも杉の植林帯を通るのですが、距離は短めであっという間に抜けてしまいます。登山中は、花粉症の症状を発することはありませんでした。
幕山の北側斜面の登山道からは、隣の山がきれいに見えました。山の名前はよくわかりませんが、斜面は植林帯ですね……。
低木に囲まれたトンネルです。箱根あたりではよく見かけます。
青々とした葉っぱに、赤い実をつけた植物。北高尾山稜でも見かけた「アオキ」でしょうかね。この時期、山の中で青い葉をつけている植物はとても目立ちます。
幕山山頂から40分弱で林道に出ました。ここから先、幕山公園まで、新崎川に沿って林道を歩いていきます。
しばらく下っていくと、「山の神」の神社がありました。この大きな石が御神体なのでしょうか。
雰囲気が公園ぽくなってきました。どうやら幕山公園の敷地内まで戻ってきたようです。
この先、まだ歩いていなかった幕山公園西側の梅林を散策しながら、バス停まで戻ることにしましょう。
【湯河原梅林(西側)】幕山と梅林の眺めを楽しみながら散策
湯河原梅林の西側を散策しながらバス停へと戻ります。西側のほうがやや咲く具合が良いかな? という感じでした。そして、梅林越しに先ほど登ってきた幕山をきれいに眺められるスポットもありました。
白と赤のツバキを眺めながら湯河原梅林の遊歩道へ
幕山公園に入ると、きれいな沢が流れていました。先ほどの林道沿いに流れていた新崎川のようですね。
公園内の遊歩道沿いには、白や赤の大きな花を咲かせるツバキが! 花の数は梅には及ばないですが、一輪が大きいので目立ちます。
幕山公園は梅林が有名ですが、年間を通して花を楽しめるようになっているようです。5月にはシャクナゲが見事だそうですので、シャクナゲを眺めながらの新緑ハイキングも良さそうですね。
赤い花はとても鮮やかで目立ちます。
遊歩道を歩いていくと、頭上に少しずつ梅の花が見えてきました。このあたりから梅林のエリアに入るようです。
湯河原梅林西側の遊歩道で観梅を楽しむ!
小さな池を囲むように梅の花が咲いています。
湯河原梅林西側の様子です。白梅と紅梅がきれいに咲いていて、その上に幕山が見えています。桜よりもやや控えめな感じはしますが、それでもこの風景は春を感じさせてくれます。
白い梅の花がきれいです。青空バックだと、白い花でも目立ちますね。
白梅と紅梅の共演。
梅の花に囲まれたところから幕山を見ることができました。まるで、梅の花の額縁に入っているかのようで、素晴らしい景色でした。
同じ枝に違う色の花が咲く「輪違い」。先ほどはよくわからなかったのですが、どうやら小枝ごとに花の色が違うようですね。
ということで、幕山公園「湯河原梅林」の観梅と幕山登山、ここで終了です。どちらかというと観梅がメインでしたが、幕山はハイキング感覚でお手軽の登れる山として、登山初心者向けには良いと思いました。
幕山公園の広場では「梅の宴」開催中で出店がたくさん出ていました。テーブルもたくさんあり、大勢の観光客がのんびりとしていました。
幕山公園「湯河原梅林」については、湯河原町のWebサイトに詳しい情報が掲載されています。
湯河原温泉「こごめの湯」へ
幕山公園から湯河原駅へバスで戻り、「奥湯河原行き」バスに乗車して「公園入口」バス停で下車。この「公園」は「万葉公園」です。
千歳川にかかる橋を渡って、急な車道を少し登ると……
日帰り温泉「こごめの湯」に到着。ここで汗(と花粉)を流していくことにします。
料金は大人1,100円ですが、湯河原梅林の入場券を見せると300円引きの800円になります。200円の入場券で300円引きという不思議なことになっていますが、安いにこしたことはないのでありがたいです。
泉質は「ナトリウム・カルシウム 塩化物・硫酸塩泉」とありましたが、それほど特徴的なものは感じませんでした。ただ、内風呂は広々としていて、それほど混雑もしていないので、ゆっくりとお湯に浸かることができます。ややぬるめだったので、長く入っていることもできました。
残念ながら併設の食堂は15時で終わってしまいましたが、休憩室もあるので、湯上り後もゆっくり過ごせそうです。
湯河原駅に戻り、駅の売店でビールとおつまみを購入して、東海道線のグリーン車で乾杯! グリーン車は熱海から帰る観光客で混雑していました。そういえば、今朝は「踊り子」を使おうと思っていたのですが、良い時間の列車が満席だったので東海道線のグリーン車にしたのでした。
観梅とセットでのハイキングがおすすめの「幕山」
ということで、幕山公園の「湯河原梅林」の観梅と、幕山登山を楽しんできました。
梅の花は満開にはやや早かったですが、それでも十分に咲いていて、楽しむことができました。お天気が良かったこともあって、青空の下、淡い色の梅の花をきれいに見ることができましたしね。
そして幕山登山。梅林の遊歩道から登山道へつながっているので、観梅を楽しんだあと、そのまま登山をすることができます。山頂までずっと登りですが、危険箇所はなく、急登や急坂もほとんどないので、登山初心者でも簡単に登ることができると思います。
登山道の途中や山頂からは、梅林からは見ることができない相模湾や真鶴半島の絶景を楽しむことができます。
今回歩いた幕山の周回コースは、コースタイムが約2時間半。登山前後の観梅も含めて3~4時間の観梅ハイキングといったところでしょうか。ピストンでもいいのですが、周回コースにして、幕山公園の西側の梅林も楽しむのが良いと思います。
今回の主な登山装備
- メリノウールの長袖アンダーシャツ(モンベル)
- 化繊の長袖シャツ(ワークマン)
- ソフトシェル(モンベル)
- トレッキングパンツ(モンベル)
- 登山靴(AKU トレッキングシューズ)
- ザック(旅行用)
- 折りたたみ傘
- 飲み物(ペットボトル500ml×2本)
- お昼ご飯(おにぎり1個)、行動食
- ファーストエイドキット
今回は観梅がメインだったので、ウェアと靴はトレッキング装備ですが、ザックや荷物は日帰り旅行+ファーストエイドキットだけでした。
かなり暖かい日でしたので、行動中はメリノウールのアンダーシャツと長袖の化繊シャツの2枚で十分。それでもかなり汗をかくほど暑かったです。行き帰りの道中は冷えるので、その上にソフトシェルを着ていました。
以上、「【幕山】見ごろを迎えた湯河原梅林を眺めながらの観梅ハイキング!」でした。観梅とハイキングをあわせても3~4時間とお手軽に楽しめます。幕山は急登や危険箇所がなく、登山道もよく整備されているので、初心者にもおすすめしたいコースです。
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