2025年4月上旬、丹沢の鍋割山と塔ノ岳に登ってきました。大倉バス停から長い林道歩きと急登を超えて鍋割山へ。見事な富士山を眺めたあとは、塔ノ岳までの尾根歩き。左手に丹沢の名峰たち、右手に相模湾と下界の街並みを眺められる良いコースです。塔ノ岳からは大倉尾根を下って下山。良いお天気で、気持ちの良い山行となりました。
鍋割山~塔ノ岳周回コースを歩く
表丹沢の玄関口、秦野戸川公園にある大倉バス停から出発し、大倉~鍋割山~塔ノ岳~大倉と周回するコースを歩いてきました。
大倉から鍋割山へは、二股・後沢乗越を経由する定番コースを歩きましたが、このコースは林道歩きがひたすら長いです。本格的な登山道になるのは大倉から約6km、2時間近く歩いたあとになります。
実際に歩いたコースは以下の地図のとおりとなります。
この長い林道は、大倉尾根と、もう一つ西側にある小丸尾根の間にある谷筋を通っています。ほとんどは砂利道ですが、関係車両が通行できるほどの道幅があるので歩きやすいです。傾斜も緩やかですね。ただ、ひたすら長い……。
登山道に入ってから山頂までは2km程度。よく整備されていますが、大倉尾根と比べると急登が多く、キツいコースだと思います。林道歩きで距離を稼いでいるのが救いです。
鍋割山と大倉尾根の金冷シを結ぶ鍋割山稜は、ブナ林が続く明るい尾根道で、とても気持ちが良いです。北側には塔ノ岳から続く丹沢主脈の山々、右側には相模湾と下界の街並みを眺めながら歩けます。後半はやや上りになりますが、全体的になだらかで歩きやすいです。
今回の主な行程は以下のとおりです。
- 08:15 大倉バス停 出発
- 10:10 後沢乗越
- 11:00 鍋割山 到着
- 11:55 鍋割山 出発
- 13:15 塔ノ岳 到着
- 14:10 塔ノ岳 出発
- 17:00 大倉バス停 下山
距離17.7km、累積標高1,489メートルと、それなりに歩きごたえのある山行となりました。
【鍋割山】長い林道歩きと急登を超えて絶景の鍋割山へ
大倉バス停から長い林道歩き、急登が続く登山道を経て鍋割山へ。山頂からは、この時期としてはくっきりと富士山や南アルプスの山々を望むことができました。
大倉バス停を出発して長い長い林道へ
平日にもかかわらず、立ち客多数の路線バスで大倉に到着。支度を済ませて、午前8時15分頃に出発です。
秦野戸川公園のまわりは桜が満開! 都内ではやや終わりかけでしたが、このあたりは少し標高が高いせいか、桜の時期も少し遅いようですね。
バス停から車道に出ると、すぐに塔ノ岳方面と鍋割山方面の分岐があります。多くの人は塔ノ岳のほうへ向かいますが、今日は鍋割山方面へ。鍋割山のほうへ歩いていく人はわずか。
車道から竹林の小道を経て、10分ちょっとで林道へ。日が当たるところはぽかぽかですが、日が遮られる林道に入ると少しひんやりとしますね。
林道の脇には、あちこちにスミレの花が咲いていて、山にも春がやってきていることを知らせてくれます。
長い林道を経て沢沿いの道へ
舗装されたところもありますが、この先はずっと砂利道になります。それでも、幅は広いですし、傾斜は緩やかなので、歩きやすいですね。
少し開けたところにくると、ツバキの花が咲いていました。奥には稜線が見えますが、鍋割山から続く尾根でしょうか?
大倉バス停から約1時間。広い林道の分岐がありました。左側は通行止めのようです。
このあたりから沢沿いの道になります。ここは木の橋がかかっていますが、沢の流れが変わったのか、水量が少ないせいかわかりませんが、木の橋の下には水は流れていませんでした。橋のないところに流れている沢を渡って反対側へ。
沢沿いの開けたところからは、目の前に山の稜線が見えています。鍋割山稜の稜線ですね。とても良いお天気で、山頂からの眺望が期待できそうです。
後沢乗越で尾根筋へ
大倉バス停から約1時間半で林道の終点に到着。ここから先はクルマが入れない登山道になります。
鍋割山名物、水のペットボトルの歩荷があります。ザックのスペースに余裕があったので、1本もっていくことにしましょう。
この先は本格的な登山道になるため、ここで小休止。行動食を食べて、水分補給をしながら休憩します。
ペットボトルが置いてある先のこの橋を渡ると、本格的な登山道に入ります。この川が「四十八瀬川」のようです。
まずは、四十八瀬川が流れる谷筋から、小丸尾根へと上っていきます。このあたりは、まだそれほど急登ではなく、山腹の斜面をつづら折に上っていく形になります。
20分ほどで小丸尾根に乗りました。この場所が「後沢乗越」です。一気に尾根らしい気持ちの良い登山道になりますね。
小丸尾根を上るコースは、尾根の西側にある寄(やどりき)バス停から歩けるようです。後沢乗越の到着したところで、小丸尾根を上がってきたソロの方とお会いしましたが、「今日初めて人にあった」と仰っていました。
急登の尾根道を登って鍋割山山頂へ!
後沢乗越から先は、尾根を登っていきます。まだ葉がついていない木々の間から眺望があるため、ずっと樹林帯の大倉尾根よりは明るくて気持ちが良いです。が、大倉尾根に比べると、傾斜が急なところが多いです。
急登ではありますが、登山道は非常によく整備されていて、危険箇所は全くと言っていいほどありません。このように木道が敷かれているところもあります。丹沢らしく、階段も多いですね。
標高が上がるにつれて、富士山が徐々に姿を現わしてきました。4月上旬という春霞の時期ですが、くっきりと見えていますね。このぶんなら、山頂からの眺望も期待できそうです。
前方に鍋割山の山頂が見えてきました。このあたりまでくると落葉樹が多くなり、この時期はまだ冬山の装いです。
標高が上がると、登山道の脇にアセビの花が見られるようになりました。まだほとんど冬と変わらない標高の高い山中にあって、唯一春を感じさせてくれる花ですね。
前方に鍋割山荘が見えてきました。ようやく山頂に到着です!
富士山と南アルプスを望む絶景の鍋割山!
午前11時過ぎ、大倉バス停から約2時間45分で鍋割山の山頂に到着!
尾根を上がっているときから見えていた富士山ですが、山頂から眺める富士山はやはり格別! 裾野まできれいに見える富士山は美しいですね。
先週から雨が多かった関東ですが、そのせいか富士山の雪が増えたようです。4月ではありますが、立派な冬富士の姿を拝むことができました。
富士山の右側(北側)には、南アルプスの山々もはっきり見ることができました。白根三山あたりはまだ山頂近くが白く、雪が残っていることがわかりますね。
南側の相模湾のほうは、この時期らしく春霞がかかっています。お天気はとても良いのですが、全体的にぼんやりとしていて、真鶴半島がかろうじてわかるくらいですね。
歩荷してきたペットボトルを山荘に置いてきてから、テーブルで軽い昼食。鍋割山といえば鍋焼きうどんですが、今回は塔ノ岳まで足を延ばすため、さくっと食べられるカップヌードルのお昼。富士山や南アルプスの山々を眺めながら、ゆっくり休憩しました。
【塔ノ岳】鍋割山稜の尾根歩きで塔ノ岳へ
鍋割山からは、鍋割山稜を歩いて、金冷シ経由で塔ノ岳へ。この尾根道は、左手(北側)に丹沢主稜の山々を、右手(南側)に相模湾を眺めながら歩けるとても良い道ですね。
鍋割山稜を歩いて塔ノ岳へ
鍋割山の山頂で休憩したあとは、お隣の塔ノ岳を目指します。
鍋割山から大倉尾根の金冷シまでの間は、鍋割山稜の尾根歩き。ちょっと霞んでいますが、右側(南側)には相模湾や麓の街並みを眺めることができます。
基本的に樹林帯が続きますが、ところどころ上の写真のように開けた場所があります。また、この時期は葉が落ちているので、木々の間からも眺望があります。
多少のアップダウンはあるものの、快適に歩けます。
鍋割山からのんびり歩いて、鍋割山稜の途中にある「大丸」に到着。山頂っぽくはありませんが、少し広くなっていますね。眺望はあまりありません。
大倉尾根と合流する「金冷シ」に到着。ここから塔ノ岳山頂までは階段の登りが続きます。
鍋割山から1時間20分ほどで、塔ノ岳に到着! 金冷シからの最後の登りはキツいですが、鍋割山稜は何度歩いても良い尾根ですね。ちょっと短いのが残念になるくらいです。
塔ノ岳山頂でまったり休憩
塔ノ岳山頂からも富士山は見えていますが、鍋割山から見たときと比べると、かなり霞んでしまっています。山頂にも少し雲がかかっていますね。それでも、塔ノ岳から眺める富士山は素晴らしいと思います。
北側には、丹沢山~蛭ヶ岳と続く丹沢主脈の山々。こちらは近いこともあって、くっきり見えています。最近、塔ノ岳から先にはなかなか行けていないので、また山小屋に泊まって縦走をしてみたいですね。
塔ノ岳山頂に到着したのは13時過ぎでしたが、1時間ほど、コーヒーを飲みながらゆっくりしました。少し風がありましたが、それほど寒くもなく快適でしたね。
おなじみの大倉尾根から下山
14時過ぎに下山開始。
左側(東側)には丹沢表尾根の稜線がくっきり。台形の形をした三ノ塔、その左奥にはきれいな三角形の大山が見えています。
右側(西側)には、先ほど歩いてきた鍋割山稜の稜線。
花立山荘近くからの眺め。塔ノ岳山頂から眺めるよりも、麓の街が近く見えますね。あいにく霞んでいますが、空気の澄んだ日には、伊豆諸島の島々や伊豆半島までくっきり見える絶景ポイントです。今日は真鶴半島がかろうじて。
標高を下げてくると少しずつ木々に緑が増えていきます。山頂から急ぎ足で下ってくると、一気に季節が進んでいく感じがします。
登山口近くには桜が咲いていました。
ゆっくりと下り、17時頃に下山。このあと、バスで渋沢駅へ戻りました。
「秦野湯花楽」で温泉&ビール
渋沢駅から徒歩15分ほどのところにある「秦野湯花楽」へ。
駅から少し歩きますが、やはり温泉に入ってから帰りたいですね。
温泉で温まったあとは、食堂で生ビールとからあげ定食で乾杯! 今日は2か月ぶりの登山にしては、かなり歩いたほうなので、ビールがおいしいですね。
何度歩いても良い鍋割山稜、塔ノ岳ピストンに飽きたらおすすめ!
2か月ぶりの登山は、鍋割山と塔ノ岳に登ってきました。
鍋割山に登ったのも久しぶりでしたが、鍋割山山頂から、この時期としてはきれいな富士山を眺めることができたのは良かったです。
鍋割山と金冷シを結ぶ鍋割山稜の尾根も良いですね。ずっと樹林帯ですが、ところどころ開けている場所からは、北側に丹沢主脈の山々、南側に相模湾を眺めながら歩けます。4月上旬のこの時期、まだ葉が落ちているので、木々の間からも景色を眺めることができました。
塔ノ岳から丹沢山や蛭ヶ岳へと向かう稜線も素晴らしいですが、日帰りとなるとなかなか難しいのが難点。日帰り登山で少しでも尾根歩きの雰囲気を楽しみたいのなら、鍋割山稜がおすすめです。
今回の主な登山装備
- ウェア類
- アンダーレイヤ: モンベル メリノウールの長袖Tシャツ
- ミドルレイヤ: モンベル 化繊 長袖シャツ
- アウターレイヤ: モンベル ライトシェルパーカー(ソフトシェル)
- パンツ: モンベル ライトトレッキングパンツ
- レインウェア上: モンベル レイントレッカージャケット
- レインウェア下: モンベル サンダーパス パンツ
- 靴下: フィッツ メリノウールの登山用靴下
- 登山靴: モンベル アルパインクルーザー2300
- 登山補助: 膝サポータ ザムスト EK-3(両膝)
- 緊急用
- ファーストエイドキット
- ヘッドランプ、予備の電池
- ザック: グレゴリー ズール30 (30リットル)
- 水
- サーモス ボトル(お湯 750ml)
- ペットボトル飲料 500ml×2本
登りはじめから、行動中はずっと、メリノウールのアンダーと、化繊の長袖シャツの2枚で十分でした。山頂での休憩中は、風が冷たかったので、ソフトシェルを羽織りました。山頂はまだ寒いかと思っていましたが、良いお天気で、風が弱かったので、休憩中も寒くはありませんでしたね。
以上、「【丹沢】鍋割山稜を歩く鍋割山~塔ノ岳周回、富士山の絶景と春霞の相模湾を眺める山旅」でした。ひさびさに登った鍋割山からの眺望や、鍋割山稜の快適な尾根歩きを楽しめました。何度も歩いているルートではありますが、やはり良いですね。
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