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【南八ヶ岳】編笠山から赤岳へ、キレット越えテント泊縦走に挑戦! (1)編笠山登頂・青年小屋テント泊編

八ヶ岳
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南八ヶ岳のテント泊縦走に行ってきました。観音平から編笠山に登り、青年小屋でテント泊。翌日は権現岳に登ったあと、キレットを超えて赤岳に登頂、赤岳鉱泉に宿泊する2泊3日のテント泊縦走です。キレットの赤岳への登り返しはかなり険しく、重いテント泊装備が堪えましたが、お天気に恵まれて良い縦走となりました。

この記事では、初日に編笠山に登頂し、青年小屋にテント泊する様子をお届けします。

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編笠山から赤岳へ、キレット越えのテント泊縦走に挑戦

2025年8月中旬、お盆休み明けの平日に、南八ヶ岳のテント泊縦走登山に行ってきました。初日は、観音平から入り、編笠山に登頂したあとは青年小屋にテント泊。2日目は、権現岳に登頂後、キレットを超えて赤岳に登頂し、赤岳鉱泉にテント泊。3日目はテントを撤収して美濃戸口に下山しました。

今回の目玉は、権現岳~赤岳のキレット越え。赤岳への標高差約500メートルの岩場の急登を登り返します。それほど危険を感じる場所はありませんでしたが、ひたすら岩場が続きますので、かなりキツいルートではありますね。今回はテント泊装備を背負っていましたので、その重さもあいまって、今年の夏山登山ではもっともキツい山行となりました。

今回のルートは以下のとおりです。

観音平~青年小屋~権現岳~キレット~赤岳と、南八ヶ岳を南から北へと縦走しました。赤岳に登頂後は、西側山麓にある赤岳鉱泉でテント泊をしたあと、西側(茅野側)の登山口である美濃戸口に下山しました。

3日間で距離18.0km、累積標高(上り)は1,956メートルでした。2泊3日ですので、数字だけ見るとそれほどではありませんが、やはりキレット越えがハードなため、数字以上にキツい山行となりました。

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編笠山・赤岳登山口への公共交通機関でのアクセス

今回利用した編笠山への登山口「観音平」と、赤岳の登山口「美濃戸口」への公共交通機関でのアクセスを紹介します。

編笠山の登山口となる「観音平」は路線バスが運行していませんので、最寄り駅となる小淵沢駅からタクシー利用となります。通常のタクシーのほか、シーズン中は予約制の乗り合いタクシー「マウンテンタクシー」が運行しています。

  • マウンテンタクシー(観音平線)
    • 小淵沢駅 ~ 観音平登山口(1日1往復運行)
    • 平日: 1,500円、土休日: 1,800円
  • タクシー
    • 小淵沢駅 → 観音平登山口
    • 所要時間約20分、運賃約4,000円

マウンテンタクシーは、2025年の運行では、小淵沢駅を午前9時に出発します。新宿駅を午前7時ちょうどに発車する「あずさ1号」から乗り継げるようになっています。

通常のタクシーを利用しても、小淵沢駅から観音平登山口までは、約20分ほどで、運賃は4,000円程度です。あずさ1号以外の列車を利用する場合には、タクシーを予約しておくとよいでしょう。今回は、以下のアルピコタクシーを予約しておきました。

【公式】アルピコタクシー株式会社
アルピコタクシーは長野県で最大の保有台数を誇り、地元の心強いパートナーとして旅に寄り添うサポートを行なってまいりました。観光・ビジネスで長野にお越しの際は是非、アルピコタクシーをご利用ください。

一方、赤岳の主要な登山口となる「美濃戸口」は、茅野駅から路線バスが運転されています。ただし、2025年は、8月中は毎日運行、それ以外は土休日のみの運行となっています。運転日には、春~夏は3往復、冬季は2往復です。本数が少ないので、バスの時間にあった計画が必要です。

バスが運行していない日や時間帯は、タクシーを利用することになります。茅野駅からタクシーで約30分(約6,000円)です。

南八ヶ岳の主要登山口への公共交通機関(タクシー含む)のアクセスについては、以下の記事をご覧ください。

【南八ヶ岳】南八ヶ岳主要登山口への公共交通機関(路線バス等)アクセスまとめ(2025年版)
赤岳や権現岳、編笠山といった南八ヶ岳の主要登山口(観音平・富士見高原・天女山・美濃戸口・美し森・県界尾根登山口・横岳登山口)への公共交通機関でのアクセスをまとめました。主に、最寄りの鉄道駅からの路線バス・タクシー、予約制乗合タクシーなどを中心にまとめています。公共交通機関を利用して南八ヶ岳へ登山に行かれる方の参考になれば幸いです。
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【編笠山】八ヶ岳連峰を一望! 急登の果てに絶景の山頂へ

観音平を午前10時ごろに出発。序盤は蒸し暑い樹林帯を登ります。中盤以降は風が通り涼しくなりますが、押手川から編笠山山頂への上りは次第に傾斜が急になります。急登を登り終えた山頂からは、八ヶ岳連峰を一望! 南アルプスや北アルプスまで見ることができて、眺望を満喫しました。

観音平を出発、蒸し暑い樹林帯を登って「雲海」へ

観音平の登山口

観音平の登山口から出発!

臨時のあずさ75号で茅野駅に到着したあと、予約していたタクシーに乗車して、午前10時前に観音平の駐車場に到着しました。支度を済ませて出発です。

爽やかそうで蒸し暑い観音平付近の樹林帯

爽やかそうで蒸し暑い観音平付近の樹林帯

観音平の登山口で標高は1,500メートルを超えてはいますが、この真夏の時期はやはり暑いです。一見、爽やかな八ヶ岳の森に見えますが、実際は風が通らず、とても蒸し暑いです。熱中症を警戒して、こまめに水分補給をしながら登っていきます。

最初の休憩ポイント「雲海」

最初の休憩ポイント「雲海」

40分ほどで最初の休憩ポイント「雲海」に到着。標高は1,800メートルを超えたくらいですが、標高うんぬんより、森の中を風が通り抜けるようになって、だいぶ涼しく感じるようになりました。雲海にはベンチがあるので、水分補給の小休止をしました。

次第に傾斜が急になり「押手川」に到着!

雲海付近の樹林帯

雲海付近の樹林帯

雲海から先も、しばらくは傾斜が緩めの樹林帯が続きます。雲海から先は、ところどころで風が通るようになり、体感的にだいぶ涼しく感じるようになりました。

雲海から押手川へ続く登山道

雲海から押手川へ続く登山道

次第に傾斜が急になってきます。それでも、まだ急登というほどではなく、ゆっくりと一定のペースを保って歩くことができます。

風が木々の葉を揺らす音に加えて、セミの鳴き声が聞こえてきます。平地のセミとは違って、おとなしめの鳴き声ですが、何のセミでしょうか? ハルゼミの季節には遅すぎるようですが……。

小さな広場になっている「押手川」

小さな広場になっている「押手川」で休憩

登山口から1時間40分ほどで「押手川」に到着。眺望はありませんが、小さな広場になっているので、ここで行動食を食べて休憩します。

標高は2,100メートル近くになっています。この押手川は、編笠山山頂に直登するルートと、青年小屋に出るルートの分岐になっています。テントを背負っているので、青年小屋でテントを張ってから編笠山に登ろうと思っていましたが、まだ体力的には問題なさそうでしたので、編笠山にこのまま登ることにしました。

急登を経て編笠山山頂へ

傾斜がだんだん急になる押手川から編笠山への登山道

傾斜がだんだん急になる押手川から編笠山への登山道

押手川から先は、さらに傾斜が急になります。登山道にも大きな岩や石が増えてきます。このルートを登るのは2回目ですが、ここからが本番という感じですね。

大きな岩が増えてくる編笠山への登山道

大きな岩が増えてくる編笠山への登山道

山頂が近くなってくると、傾斜はさらに急になります。まさに「急登」になります。テント泊装備を入れた重いザックが堪えますね……。今日は時間的に余裕があるので、立ち止まって息を整えながらゆっくりと登っていきます。標高が上がって涼しくなってきたのが救いです。

大きな岩の急登でキツい編笠山山頂直下の登山道

大きな岩の急登でキツい編笠山山頂直下の登山道

山頂下はさらに大きな岩がゴロゴロと転がっている急登になります。ここが一番キツいところ!

樹林帯を抜けてハイマツ帯が広がる編笠山山頂付近

樹林帯を抜けてハイマツ帯が広がる編笠山山頂付近

樹林帯を抜けて、周囲がハイマツ帯になると、山頂はすぐそこです。編笠山は八ヶ岳の中でも標高がそれほど高い方ではないので、山頂のすぐ下までずっと樹林帯なのですね。

広々とした編笠山の山頂

広々とした編笠山の山頂に到着!

13時前、登山口から約3時間で、編笠山山頂に到着! 山頂は大きな岩が多いですが、かなり広々としています。

編笠山山頂から最高の眺望を満喫!

編笠山山頂から眺める八ヶ岳連峰の山々

編笠山山頂から眺める八ヶ岳連峰の山々

早速、山頂からの絶景を楽しみましょう! 編笠山からの眺めといえばこれ! 八ヶ岳でもっとも南に位置する編笠山からは、八ヶ岳の山々を一望できます。

右手前はギボシと権現岳、その左奥が赤岳、その左に並ぶのが阿弥陀岳、奥が横岳です。険しい山々が連なる南八ヶ岳を一気に眺めることができます。

編笠山山頂と南八ヶ岳の山々

編笠山山頂と南八ヶ岳の山々

編笠山の標高は2,524メートル。ここから見える南八ヶ岳の山々の中では低い方ですが、この眺望は見事ですね。赤岳や硫黄岳などからの眺望とは一味違い、編笠山ならではの眺望を楽しめます。

編笠山に登ったのは今回で3回目なのですが、いつもガスが多く、ガスの間からちらっと山が見えるくらいだったのですが、今回は見事な晴天!

西岳と諏訪湖、北アルプスの眺め

西岳と諏訪湖、北アルプスの眺め

西側には、右手前の西岳の奥に、茅野の街並みや諏訪湖が見えています。その奥は北アルプスで、槍ヶ岳や穂高連峰までくっきり見えていました。8月中旬の夏山で、午後の時間帯にここまでスッキリ見えるのは珍しいですね。良い日に当たってラッキーでした。

編笠山山頂からの槍・穂高連峰の眺め

編笠山山頂からの槍・穂高連峰の眺め

槍穂高連峰をアップで。槍ヶ岳には、先月登ってきたばかり。登ったことのある山が、他の山から見えるとうれしいですよね。

編笠山山頂からの南アルプスの眺め

編笠山山頂からの南アルプスの眺め

南側には南アルプスの高峰が連なりますが、稜線にはもくもくとした雲がかかっていました。こちらはいかにも夏山らしい風景です。

編笠山山頂からの中央アルプスの眺め

編笠山山頂からの中央アルプスの眺め

中央アルプスの稜線も見えますが、こちらはやや霞み気味でした。どうも、南の方は少し霞んでいるようですね。明朝、権現岳に登るので、そのときにきれいに見えることを期待しましょう。

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【青年小屋】青年小屋でテント泊

初日は編笠山から少し下ったところにある青年小屋でテント泊。夕方までは曇りがちながら晴れ間も見えていましたが、暗くなる頃に雷雨に。幸い、1時間ほどで止みましたがテント泊での雷雨は恐いですね……。

編笠山北東面のゴーロ帯を下って青年小屋へ

編笠山の山頂からの景色が素晴らしく、少し風があって体感的にもとても気持ちが良かったので、1時間以上もまったりとしてしまいました。14時頃、青年小屋に向けて出発します。

編笠山山頂から青年小屋への登山道入口

編笠山山頂から青年小屋への登山道入口

青年小屋は、編笠山の山頂下にある山小屋です。編笠山からは、山頂の北側にある道を下っていきます。最初は樹林帯の細い道を下ります。

青年小屋とギボシ・権現岳

青年小屋とギボシ・権現岳

しばらく下ると樹林帯から抜けて視界が開け、眼下に青年小屋が見えてきます。目の前に見えるのは権現岳の前衛峰にあたるギボシ、右奥に見える岩が切り立った山頂が権現岳です。

そして、青年小屋までの下りは、この巨大な岩がゴロゴロとしたゴーロ帯を下っていきます。ペンキの目印がありますので、それを追いながら下ります。岩の間に落ちないように慎重に……。

青年小屋でテント泊

青年小屋

青年小屋

青年小屋まで下ってきました。テント泊の受付をして、料金(1,500円)を支払います。

青年小屋のテント場にテントを設営

青年小屋のテント場にテントを設営

この日は平日、お盆休み明けということもあってか、テントは5~6張ほど。テントを張る場所は選び放題でした。

テントを張ったあとはまったりタイム。青年小屋で缶ビールを買って、小屋前のテーブルでゆっくりしたり、山頂でご一緒した方と夕飯を食べたりと、楽しいひと時を過ごしました。

青年小屋「遠い飲み屋」

青年小屋「遠い飲み屋」

青年小屋は、別名「遠い飲み屋」。小屋泊にすると、いろいろとお酒を楽しめるようなので、今度は小屋泊にしたいですね。

このあと、19時頃から雷雨に。かなり強い雨が降りましたが、幸い、雷は真上ではなく、稜線の南側で鳴っているようでした。落雷の心配はなさそうだとそのままテントにいましたが、それでもちょっと怖いですね……。

1時間ほどで止み、そのあとは雨は降らなかったようです。テントは濡れてしまいましたが、浸水はせず、無事に一晩過ごせました。

次の記事では、2日前に権現岳に登ったあと、キレットを超えて赤岳を目指す様子をお届けします。


以上、『【南八ヶ岳】編笠山から赤岳へ、キレット越えテント泊縦走に挑戦! (1)編笠山登頂・青年小屋テント泊編』でした。編笠山山頂からの素晴らしい景色を楽しむことができて、幸先の良いスタートとなりました。次回は、いよいよキレットを超えて赤岳を目指します。

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