10月中旬の金曜日、お天気が良さそうなので、日帰りで浅間山に登ってきました。紅葉を期待して行ったわけではないのですが、カラマツが黄色くなる「黄葉」が見頃に入っていて、思わぬ絶景に大満足の山旅となりました。
浅間山の外輪山を歩く日帰り登山
浅間山は、言わずと知れた活火山。活火山ですので、浅間山そのものには登れないのですが、周りの外輪山には登ることができます。
噴火警戒レベルによって、登れる山が制限されてしまうのですが、今回、登った時は噴火警戒レベル1でしたので、浅間山に最も近い「前掛山」まで登ることができます。
ただ、今回は、公共交通機関利用で時間が限られていたため、前掛山には登らず、外側の外輪山を歩くコースを選択しました。
今回、歩いたコースは、以下のとおりです。
路線バスでアクセスできる高峰高原ホテルの登山口からスタートし、トーミの頭を経て、黒斑山へ。その後、外輪山の稜線を、蛇骨岳、仙人岳と歩いて、一番端っこの鋸山へ。
鋸山からは、浅間山と外輪山の間にある湯ノ平へと下り、カラマツの黄葉の中を歩いて、浅間山荘がある天狗温泉へと下りました。
天狗温泉から路線バスのバス停までは、砂利道を4kmほど下らないといけないのですが、通りかかった親切な方の車に乗せていただき、軽井沢駅まで送っていただきました。
おおまかな行程は以下のとおりです。
- 09:40 高峰高原ホテル前(車坂峠)出発
- 10:30 槍ヶ鞘
- 10:40 トーミの頭 到着
- 10:55 トーミの頭 出発
- 11:10 黒斑山
- 11:30 蛇骨岳 到着(お昼休憩)
- 12:00 蛇骨岳 出発
- 12:15 仙人岳
- 12:30 鋸岳 到着(休憩)
- 13:00 鋸岳 出発
- 13:50 火山館
- 14:50 天狗温泉 浅間山荘(下山)
お天気が良かったので、外輪山のあちこちで休憩してしまいました。登山口となる高峰高原ホテル前(車坂峠)から1時間くらい登るだけで外輪山の上に出られるので、お手軽に絶景を眺められるコースだと思います。
浅間山 登山口への公共交通機関でのアクセス
今回利用した、高峰高原ホテル(車坂峠)の登山口と、天狗温泉(浅間山荘)の登山口への、公共交通機関でのアクセス方法を紹介します。
- 高峰高原ホテル(車坂峠)
- 佐久平駅(北陸新幹線・小海線) → 小諸駅(小海線・しなの鉄道) → 高峰高原ホテル前(JRバス関東 1,400円,約55分)
高峰高原ホテル前のバス停へは、北陸新幹線の佐久平駅から路線バスが出ています。1日2便しかなく、日帰り登山に利用できるのは、午前8時25分発のバスのみです。
このバスは、小諸駅に寄ったあと、高峰高原ホテルへ向けて、ぐんぐんと標高を上げていきます。かなりカーブの多い山道を通るので、車酔いしやすいかたは注意です。
バスのダイヤについては、JRバス関東のWebサイトをご確認ください。
- 浅間登山口バス停
- 佐久平駅(北陸新幹線・小海線) → 小諸駅(小海線・しなの鉄道) → 浅間登山口(JRバス関東 900円,約35分)
- 浅間登山口バス停 → 天狗温泉 浅間山荘(徒歩約1時間,約4.3km)
前述の佐久平駅~高峰高原ホテルの路線バスは、途中で「浅間登山口」というバス停を通ります。「浅間登山口」というバス停ですが、実際の登山口は、このバス停から、砂利道を約1時間登ったところにありますので、要注意です。
今回、下山時に利用するつもりでしたが、前述のとおり、運よく、通りかかった方の車に同乗させていただきました。車が通れる砂利道なので、急ではありませんが、4.3kmは長いですね。登りでは使わないほうがよいと思います。
【高峰高原ホテル → トーミの頭】雲海を眺めながらの登りで外輪山へ!
高峰高原ホテルをスタートして、外輪山の上に出るトーミの頭まで、約1時間の登りです。雲海を眺めながらの登山となりました。
雲海の高峰高原ホテルからスタート!
北陸新幹線で佐久平駅に到着したときには、一面、どんよりした曇り空でしたが、バスで標高を上げていく間に雲の上に出たらしく、高峰高原ホテルからは、見事な雲海を眺めることができました。
雲海の向こうには富士山! そして、その左側に連なるのは南アルプスでしょうか。かなりしっかりとした(?)雲海で、これなら、この下の佐久平や小諸では曇天だったのも頷けます。
少し目を右側に移すと、八ヶ岳も見えました。この様子だと、八ヶ岳の麓も雲海に覆われているのかもしれません。
高峰高原ホテルの駐車場で雲海を眺めていましたが、すでに午前9時半。あまり遅くなっても行けないので、登山の準備をしましょう。
高峰高原ビジターセンターで登山の準備を済ませて出発!
トイレをお借りするために、高峰高原ビジターセンターへ。高峰高原ホテル前のバス停からすぐのところにあります。カフェや観光案内などを併設していますので、登山前に立ち寄るとよいと思います。
そう、ヘルメットのレンタルもありました。浅間山は火山ですので、万が一に備えて、ヘルメットを携行しましょう。今回は、ザックの中に自分のヘルメットを入れてきたので、レンタルは利用しませんでした。
登山口は、高峰高原ホテル前のバス停から道路を渡ったところにあります。ここで準備を済ませて、いざ、出発です!
最初の目的地、黒斑山へは、登山口のところで「中コース」と「表コース」の2ルートに分かれています。「表コース」のほうが若干距離が長いですが、こちらのほうが景色が良いそうなので、考える間もなく「表コース」を選択しました。この好天に雲海ですから。
雲海を眺めながらの登山!
最初は、よく整備された緩やかな登りが続きます。樹林帯を歩きますが、登山口の時点で標高は2,000メートル近く。森林限界が近いので、低山によくある鬱蒼とした樹林帯ではなく、ところどころが開けた明るい登山道です。
登山道には、ところどころ、赤みを帯びた石が転がっています。浅間山の噴火によるものだと思いますが、こんなところも火山ならではですね。
これから登る黒斑山が見えました。外側から見ると、とても穏やかな山容の山に見えますが、反対側は断崖絶壁なのです。
下のほうには黄色く色づき始めたカラマツ、上の方は落葉しない針葉樹林帯に分かれていました。
「表コース」は、あちこちで南側の眺望が開けています。出発前に見た雲海はかなり厚みがありましたが、たった30分ほどで、隙間が目立ってきました。このあと、どんどん消えていってしまうのでしょう。
最初は緩やかだった登りも、だんだん傾斜がきつくなってきました。大きな岩も増えてきて、本格的な登りになってきます。とはいえ、危険なところはありません。
浅間山とトーミの頭を一望する「槍ヶ鞘」へ
30分ちょっと登ると、大きく開けたところに出ました。眺望も良いので、ここで休憩をしている人が多くいました。
西のほうを見ると、手前の高峯山のはるか向こうに、北アルプスの山並みがくっきりと見えました。尖がっている槍ヶ岳も!
南側の雲海は、かなり消えてしまいました。消え始めるとあっという間ですね。
北西側には、高峰高原にある「アサマ2000パークスキー場」が見えました。左下に見えている建物が、先ほど登り始めた登山口のある高峰高原ホテルですね。その向こうには、北アルプスの山並み!
ずっと眺めていたくなる景色ですが、今日は帰りのバスの時間が決まっているので、あまりのんびりとしているわけには行きません。先を急ぎましょう。
ここから先は、急な階段が増えてきます。息を切らさないように、ゆっくり登っていきます。
登山道の脇には、こんなシェルターもありました。浅間山が噴火したときに避難するためのものですね。浅間山が火山であることを思い知らされます。
登り始めて1時間弱で、「槍ヶ鞘」(標高2,260メートル)に到着! これまで外輪山に隠れて見えなかった浅間山が、目の前にどーんと見えてきます。すごい迫力! そして、黄葉で黄色く染まった浅間山の中腹に目を奪われてしまいました。こんなにきれいに黄葉しているとは思っていなかったので、感動です!
急登を登って、外輪山の一角「トーミの頭」へ
次の目的地は、先ほどの写真の左側に見えている「トーミの頭」です。かなりの急登に見えますが、ここを登り切れば、あとは外輪山の稜線歩きが待っています。
槍ヶ鞘からいったん下って、トーミの頭へ登り返す形となります。下りきったところから見上げたトーミの頭がこの写真です。断崖絶壁のように見える急登を登らなくてはなりません。
登り始めてみると、急登であることには間違いないですが、そこまで大変ではありませんでした。足元は比較的登りやすい道ですし、何より、疲れて立ち止まれば、この絶景が待っています。雲海が晴れた佐久盆地(佐久平)を一望です!
そして、10時45分頃、「トーミの頭」に登頂です! ここからの景色は本当に素晴らしく、多くの人が景色に見入っていました。今回のコースの絶景ポイントの一つです。
浅間山の中腹から下は、本当に黄色に染まっているようです。左端に見えるのが、これから稜線を歩いていく外輪山です。
最初は、高峰高原から外輪山の端の鋸岳へのピストンを考えていましたが、この景色を見て、黄葉の中を歩いてみたくなり、天狗温泉へ下るプランに変更したのでした。
「トーミの頭」からの絶景を動画でもどうぞ。
水分補給をしながら、しばらく、この絶景を満喫したのでした。
【黒斑山 → 鋸岳】絶景が続く外輪山を歩く!
トーミの頭からは、黒斑山、蛇骨岳、仙人岳、そして、鋸岳へと続く外輪山を歩いていきます。浅間山の絶景はもちろんのこと、外輪山の外側に広がる嬬恋村の長閑な風景にも癒されます。
黒斑山を経て絶景の蛇骨岳へ!
トーミの頭からは、外輪山の上を歩いていきます。ただ、すぐに見晴らしの良い稜線を歩くわけではなく、少し奥まった樹林帯の中の道を進みます。
とはいえ、浅間山のほうが開けているところはあちこちにあり、これから歩いていく外輪山もしっかりと見えています。
トーミの頭から20分弱で、次のピーク「黒斑山」に到着しました。ここは、浅間山のほうが開けていて、景色も素晴らしいのですが、山頂が狭いです。先客が数名いたので、お昼休憩はもう少しあとにして、先へ進むことにしました。
樹林帯の道が終わり、完全に稜線の上に出たところで、次のピーク「蛇骨岳」に到着しました。蛇骨岳の山頂は、岩がゴツゴツしていますが、休憩できそうな場所が比較的多そうなので、ここでお昼休憩にします。
浅間山にだいぶ近づいてきて、その迫力に圧倒されます。浅間山を目の前にして、朝、コンビニで買ってきたおにぎりを食べました。天気はほぼ快晴。直射日光が暑いくらいですが、弱い風が吹き抜けると爽快です。
浅間山と外輪山の間は、カラマツの黄葉がとてもきれいでした。カラマツは日本では珍しい落葉する針葉樹だそうですが、黄葉していない緑の木々との対比が美しいです。奥に見える山は「剣ヶ峰」という外輪山です。
黄葉した浅間山ばかりを眺めてしまいますが、稜線の上に出たので、外輪山の外側の景色も一望できます。眼下に見えるのは、高原のような田園風景が広がる嬬恋村の田園風景ですが、その向こうには、日本百名山の一つ「四阿山」も見えていました。
そういえば、この田園風景の中に「嬬恋パノラマライン」という広域農道があり、以前、上田駅~草津温泉を結ぶ路線バスで通ったことがありました。浅間山と四阿山に挟まれた雄大な高原の風景が素晴らしかったのを覚えています。
絶景を眺めながら外輪山の稜線を歩いて仙人岳へ
30分ほど休憩したので、先をへ進むことにします。
これから歩く外輪山の稜線です。とても気持ちよさそうな道で、ワクワクしますね。
いったん、蛇骨岳のピークから下り、上の写真の稜線を歩いていきます。少しザレたところもあるのでスリップに注意ですが、それほど危険なところはありません。
先ほど歩いてきた外輪山を振り返ってみました。高峰高原ホテルから外輪山へ登る途中で見た黒斑山は、とても穏やかな山容でしたが、こちらは断崖絶壁に近い急斜面。山というのは、見る方向によって、その姿を大きく変えるものです。
浅間山の山頂から、小さな噴煙が上がっていました。現在、火山活動は落ち着いていて、噴火警戒レベル1ですが、やはり活火山だということですね。この噴煙は続くことなく、すぐに霧散してしまいました。
稜線の先には、「仙人岳」のピークが見えてきました。なかなかの登り返しに見えますが、それほど長くはないので、たいしたことはありませんでした。
12時10分頃、仙人岳の山頂に到着しました。外輪山を歩いていくと、浅間山がどんどん大きくなっていくのが面白いですね。
仙人岳の山頂は見晴らしが良いですし、ちょうどお昼時ということもあってか、大勢の人が休んでいました。ちょっと休憩しようかと思いましたが、外輪山の端っこにある「鋸岳」も、それほど遠くなさそうなので、先へ進むことにしました。
外輪山の端っこ「鋸岳」から大迫力の浅間山を眺める!
次の目的地は、外輪山の端っこにある「鋸岳」です。例によって、いったん下って登り返しますが、ここも、それほど高低差はなさそうです。
鋸岳に近づくと、ここから先は「火口2km以内」とかかれた看板がありました。長居はしないようになどの注意が書かれています。浅間山が火山であることを思い知らされます。
先ほどの看板から先は、これまでの稜線とは異なり、岩稜帯の様相を呈してきます。登山道はありますが、ところどころ大きな岩を登ったり、滑りやすい斜面をトラバース気味に歩いたりと、少し注意が必要でした。
少し広いところに出ましたが、鋸岳の山頂はもう少し先のようです。写真左側の大きな岩のような鋸岳の先端まで行ってみることにします。
この写真を撮っているところのほうが高いような気もしますが、鋸岳の山頂はもう少し先のようです。ザレた道が続いていますので、そこを進んでみます。
岩がゴツゴツしたところを数分歩いて、鋸岳の先端?までやってきました。目の前に浅間山がどーんと聳えていて大迫力! これが噴火したら、ひとたまりもないなぁ、などとのんきなことを考えてしまいます。
それに、地面の赤い岩や土。この荒々しさとあいまって、本当に火山にやってきたんだという感慨にふけります。
浅間山の北側斜面に、黒い筋のようなものが見えます。1783年の天明噴火で噴出した溶岩が流れた跡でしょうか。その下の方には、「鬼押出し園」が見えました。
少し戻って、景色の良さそうところで小休止。持ってきたパンを食べました。
仙人岳までは大勢の登山客で賑わっていましたが、この鋸岳の山頂には数名だけ。岩がゴツゴツしていて歩きにくいところがありますので、ここまでやってくる人は多くないようです。
荒々しい浅間山とは対照的に、外輪山の外側には、長閑な田園風景が広がります。少し雲が湧いてきたようです。
【鋸岳 → 浅間山荘】湯ノ平の黄葉の中を歩いて下山
このあと、Jバンドを下って、黄葉したカラマツの中を歩き、火山館を経て、天狗温泉浅間山荘へ下山しました。黄葉したカラマツの中を登山道が通っていて、黄葉ハイキングを満喫できました。
急斜面のJバンドを下って湯ノ平へ
外輪山を歩いたあと、どこへ下山するか悩んでいたのですが、外輪山から眺めた黄葉が素晴らしかったので、その中を歩いてみたいと思い、外輪山から、浅間山と外輪山の間にある湯ノ平に降りるルートを選択しました。
鋸岳の先端から少し戻り、「Jバンド」と書かれた標識に従って下っていきます。
この道は、外輪山の断崖絶壁のような急斜面をジグザグに下っていきます。かなり急ですし、浮石やザレた斜面が多いので、滑らないように慎重に下っていきます。
高所恐怖症の人は怖いのではないかと思うくらいの急斜面ですが、一歩一歩、慎重に降りていけば大丈夫です。岩場ではないので、手を使って降りるようなところはありませんでした。
ここを下っている間に、登ってくる人とすれ違いましたが、かなりしんどそうでした。下りに使うのも怖いですが、登りに使うのも大変そうです。
それほど長くはないので、10分ほどで下り切りました。振り返ってみると、やっぱり断崖絶壁に見えますね。
下る前の分岐にあった看板の「Jバンド」というのは、この鋸岳あたりの外輪山のことを言うのでしょうか。この斜面のことを言うのでしょうか。よくわかりませんでした。
黄葉に染まる湯ノ平をトレッキング!
外輪山と浅間山の間の高原を「湯ノ平」というそうです。先ほどのJバンドの険しい下りとは打って変わって、とても穏やかな道が続いています。
そして、この黄葉! 外輪山の上から眺めたカラマツの黄葉の真っ只中を歩いていくのです!
そして、左手には、中腹まで黄色く染まった浅間山! 間近から見上げる浅間山も迫力があっていいですね。動画も撮ってみました。
穏やかな斜面の浅間山と、断崖絶壁の外輪山が対照的です。そして、カラマツの黄葉! 素晴らしい景色を満喫できました。
黄葉したカラマツ林の中を歩いていきます。高原のトレッキングという感じで、歩いていて楽しくなるトレイルですね。森林限界が近いためか、木々の間隔がまばらで、樹林帯の中も明るいです。
前掛山への道を分ける「賽の河原分岐」に到着。前掛山は、浅間山に最も近い山で、噴火警戒レベル1のときしか登ることができません。今回、前掛山への登山も考えましたが、路線バス利用だと時間が厳しいため見送り。高峰高原か天狗温泉などの登山口があるところに前泊しないと厳しそうです。
ということで、天狗温泉方面へ下山します。
このあたりを「賽の河原」と呼ぶようですが、その名前とは対照的に、カラマツの黄葉が美しい高原のような雰囲気のところでした。
西側には険しい外輪山も見えています。朝、通ってきたトーミの頭~黒斑山あたりのようですね。
この外輪山の急斜面を登って、トーミの頭の近くに出る「草すべり」というルートもあるのですが、今回は大人しくこのまま下ることにしました。
火山館から浅間山荘へ下山
ゆっくり歩いてきましたが、鋸岳から1時間もかからずに火山館に到着しました。ここでトイレをお借りして、少し休憩します。このあとは、天狗温泉までずっと下りになりますので。
火山館からすぐのところに、赤い川が流れています。よく見ると、水は透明ですが、川底がオレンジ色に染まっているようです。
火山館の近くの登山道からは、外輪山のひとつ「牙山」(ぎっぱやま)が見えます。「牙」の文字どおり、先端は垂直に切れ落ちていますし、側面も断崖絶壁になっていて、存在感抜群です。
そんな景色を楽しみながらも、だんだん樹林帯に入っていき、眺望もなくなってしまいました。こうなると、あとは黙々と下っていくしかありません。
天狗温泉への登山道は、とても緩やか。天狗温泉の登山口の標高が約1,400メートル、湯ノ平が2,000~2,100メートルくらいなので、600メートル以上の標高差がありますが、この道を登るのであれば、それほど苦にならなそうです。
途中に分岐がありましたが、どちらもコースタイムは同じだったので、沢沿いの道を選択。少し下ると、「不動滝」の間近を通ります。それほど落差の大きな滝ではないですが、何段かになって滑り落ちてくる滝は、とてもきれいでした。
怒涛の勢いで下ったので、火山館から約1時間で天狗温泉の登山口まで下山できました。YAMAPのコースタイムだと1時間50分。緩やかで歩きやすい道が続くので、どんどん下ることができました。
浅間山荘で日帰り温泉!
登山口からバス停までは、まだ4キロもあるのですが、下りでかなり時間を稼げたので、浅間山荘の日帰り温泉に入っていくことにしました。
泉質は「単純鉄冷鉱泉」だそうで、お湯の色は見事な赤褐色。鉄の成分が空気に触れて酸化して、赤褐色になるそうです。湯舟はややぬるめでしたが、しばらく入っているとポカポカしてきました。
せっかく温泉に入ったので、ビールでも飲んでゆっくりしたいところですが、バス停までは1時間近く歩かないといけません。仕方がないので、コーラを1本飲んで、出発します。
佐久平駅から乗車した路線バスが通る「浅間登山口」というバス停に向かいます。天狗温泉までクルマが通る砂利道を下っていくので、普通に歩いていけば1時間で着くでしょう。
……と思って下り始めてからすぐ、車で通りかかった年配の男性に声をかけられて、バス停まで乗せていただくことになりました。さらに、新幹線で東京方面に帰ることを知ると、帰りに軽井沢を通るので、軽井沢駅まで送ってくれることに。本当に感謝です。
思わぬ幸運、というか、通りかかった年配の方のご厚意で、予定よりも1時間以上も早い新幹線で帰宅することができました。
浅間山の絶景を眺められる外輪山は初心者におすすめ!
ということで、初めての浅間山登山に行ってきたのでした。
高峰高原ホテルから外輪山を歩くコースは、標高差が400メートルくらい、急なところもトーミの頭の手前くらいしかないので、初心者にもおすすめできるコースです。仙人岳あたりで引き返せば、歩きにくいところや危険なところもないでしょう。体力や時間にあわせて、適当なところで引き返すことができますので、登山計画も立てやすいと思います。
一方、外輪山の端っこ、鋸岳の近くは、岩が多かったり、急斜面をトラバース気味に歩いたりと、少し注意が必要でした。また、Jバンドを降りる急斜面は、初心者はやめておいた方が無難かなと思います。
今回歩いた登山コースは、長野県のWebサイトで紹介されている「いいとこどり縦走コース」です。
浅間山に最も近い「前掛山」に登ることはできませんが、外輪山を歩いたり、湯ノ平の高原のようなトレイルを歩いたりと、変化に富んだコースでした。少し山歩きに慣れている方であれば、おすすめできるコースです。
ただ、上の登山記で紹介したように、天狗温泉浅間山荘からバス停までは4キロも離れています。公共交通機関を利用して行く場合には要注意です。
今回の登山装備
- 化繊の長袖Tシャツ
- 化繊の半袖Tシャツ
- ソフトシェル(モンベル)
- トレッキングパンツ(モンベル)
- 登山用靴下(モンベル)
- 登山靴(モンベル アルパインクルーザー2300)
- ザック(グレゴリー ZULU30)
- レインウェア上下
- 膝サポーター(ザムスト EK-3)
- トレッキングポール(シナノ)
- 飲み物(ナルゲンボトル1L+ペットボトル1本)
- 行動食
- ランチ(コンビニのおにぎり1個、総菜パン1個)
- ファーストエイドキット
- ヘッドライト
10月中旬にしては比較的暖かい日でしたので、行動中は、化繊の長袖Tシャツ+半袖Tシャツで十分でした。外輪山の稜線に出ると風が冷たいかなと思っていましたが、風は弱く、日差しが暑いくらいでした。ただ、この数日後には、寒気がやってきて、浅間山が初冠雪との報があったので、この時期は、天気予報をよく確かめて、ウェアや装備を選んだ方がよいと思います。
トレッキングポールは持っていきましたが、使いませんでした。Jバンドを下るところは、急斜面で滑りやすいところが多いので、トレッキングポールがあったほうが良いかもしれません。
以上、「【浅間山】黄葉を眺めに浅間山の外輪山を縦走! 黄色に染まる浅間山を眺める山旅」でした。思わぬ黄葉に感激してしまいましたが、高峰高原からの雲海、外輪山から眺める浅間山や嬬恋村の田園風景など、絶景を満喫できた旅となりました。
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