秋の硫黄岳・天狗岳に登ってきました。初日は本沢温泉に宿泊し、翌日はいよいよ硫黄岳と天狗岳に登ります。秋晴れの下、山頂からの絶景を満喫して、黒百合ヒュッテに下りました。翌日はあいにくの雨で、唐沢鉱泉へ下山。唐沢鉱泉の秘湯を楽しんでから帰宅しました。
この記事では、本沢温泉を出発するところからお届けします。なお、初日の本沢温泉までの道のりと、野天風呂や内湯などの本沢温泉での宿泊の様子は、前回の記事をご覧ください。
【硫黄岳】夏沢峠を経て硫黄岳に登頂!
本沢温泉を出発して夏沢峠へ。夏沢峠から硫黄岳にアタックします。硫黄岳山頂はとても広く、赤岳や阿弥陀岳などの南八ヶ岳の山々を間近に望むことができます。硫黄岳の山頂で大展望を満喫しました。
本沢温泉を出発!
本沢温泉を午前6時半に出発します。今日もとても良いお天気で、わずかに色づき始めた葉が青空に映えます。その後ろには、これから登る硫黄岳。
昨日、野天風呂に入りに行くときに通った道を歩きます。
野天風呂への分岐の少し手前からは、硫黄岳がきれいに見えました。とても迫力のある爆裂火口。登頂したら近くで見てみたいですね。
野天風呂への分岐です。昨日は左側の野天風呂へ行きましたが、今日は右奥へ。「夏沢峠・硫黄岳」とある方へ進みます。
樹林帯の緩やかな登りで夏沢峠へ
分岐のすぐ近くにはシャクナゲに囲まれた道もありました。初夏にはたくさんのシャクナゲが咲くのでしょうね。夏沢峠もシャクナゲで有名なのだそうです。
シャクナゲの道を抜けると、野天風呂の上へ。ここからも見えるのですね……。野天風呂に入る方、着替えるときには頭上も注意しましょう(笑)
すぐに樹林帯の道になります。ここから夏沢峠までは、樹林帯の中を登っていきます。林道のようにとてもよく整備されていて歩きやすい道ですね。ずっとこんな道だといいのですが……。
夏沢峠が近くなると、少し傾斜が急になります。苔生した岩や倒木が良い雰囲気を醸し出しています。
本沢温泉から50分ほどで夏沢峠に到着しました。ここまではとても歩きやすい道でした。
夏沢峠には、「ヒュッテ夏沢」と「山びこ荘」という2軒の山小屋がありますが、いずれも7月~8月のみの営業。この時期はすでに営業終了しています。八ヶ岳には冬季も含めて通年営業の山小屋もありますが、ここのように夏山シーズンしか営業しない山小屋もあるのですね。
夏沢峠にはトイレもあるのですが、山小屋が営業終了しているため、トイレも閉まっていて利用できませんでした。
樹林帯からガレた急登で硫黄岳へ
夏沢峠で軽く水分補給をして、硫黄岳を目指します。最初は針葉樹の樹林帯を登っていきます。以前、赤岳鉱泉から硫黄岳に登った時の記憶から、こんな生易しい道だけで終わるはずはないことはわかっていますので、覚悟して登り始めます。
途中、登山道が崩落しかかっているところがありました。迂回路が設けられているので安心です。この写真は、迂回路を通ったあと、振り返って撮ったものです。かなり崩れていますね……。
崩落地を過ぎると、やや急な登りになります。ただ、危険なところはなく、登山道がよく整備されているので、歩きやすいです。
樹林帯を抜けて、ハイマツと草地になりました。風はそれほど強くはないものの、かなり冷たく、ここでソフトシェルを羽織りました。
しばらくは、ガレた道をジグザグに登っていきます。急登というほどではありませんが、樹林帯の道よりは傾斜が急で、足元がガレているので、やや歩きにくくなります。
しばらく登ると、山頂が見えてきました。左奥に見えるのが山頂です。本沢温泉側とは反対側の西側の斜面は、とても穏やかな山容をしていますね。爆裂火口がある東側とは対照的です。
山頂が近づいてきました。山頂直下はやや急な登りへ。このあたりが一番キツいところです。上に見えるケルンの少し先が山頂のようです。
秋晴れの硫黄岳山頂で絶景を満喫!
午前8時10分、本沢温泉から1時間40分ほどで硫黄岳の山頂に到着しました。
山頂は平坦でとても広いです。南側には、この硫黄岳から続く横岳~赤岳の稜線と、存在感抜群の阿弥陀岳が見えています。奥には南アルプスの山並みが聳えています。
北側には、先ほど通ってきた夏沢峠を挟んで、硫黄岳の双耳峰がくっきり! その奥には蓼科山へと続く北八ヶ岳の穏やかな稜線が続いています。硫黄岳の山頂から南八ヶ岳と北八ヶ岳を眺めると、その対照的な山並みがよくわかりますね。
白馬のあたりから乗鞍岳まで、北アルプスの山並みがすべて見えています。中央には険しい槍ヶ岳・穂高連峰もくっきり見えました。
八ヶ岳は長野県の南東部にあるため、すぐ南側には南アルプス、西側には中央アルプス、そして、北西側には北アルプスと、日本アルプスを全て眺めることができるのです。
茅野の街並みの奥には御嶽山。独立峰ですが、山体が大きいので、どこから見ても目立ちますね。
硫黄岳から赤岳へと続く稜線です。横岳との鞍部に硫黄岳山荘が見えていますね。
この稜線は、2年前に赤岳鉱泉にテント泊をして歩きました。横岳付近の岩場・鎖場が楽しい縦走コースです。眺望も素晴らしいです。
硫黄岳の山頂で眺望を楽しんだので、夏沢峠へ戻り、今度は天狗岳を目指します。
【天狗岳】双耳峰の山頂からは360度の大展望!
硫黄岳から夏沢峠に戻り、天狗岳を目指します。箕冠山~根石岳と歩き、東天狗岳へ。山頂は硫黄岳ほど広くはありませんが、素晴らしい眺望! 往復40分の西天狗岳にも登り、大展望を満喫しました。
夏沢峠から樹林帯を登って箕冠山へ
硫黄岳から夏沢峠まで戻ってきました。夏沢峠で軽く行動食を食べて、水分補給をします。
硫黄岳山頂でお話をして、夏沢峠まで一緒に下ってきた方は、茅野市に在住で、日帰りで八ヶ岳登山によく来られるとのこと。日帰りで八ヶ岳はうらやましいと思いつつ、雪山はやらないので、11月~5月の半年間は近くの山には登れないとのこと。それはちょっと残念ですよねぇ……。
夏沢峠から北側へ登っていきます。まずは最初のピーク、箕冠山を目指します。針葉樹の樹林帯の中を登ります。最初は緩い登りですが、次第に傾斜がキツイところが出てきます。
ひとしきり登り、道が西向きに変わると平坦になります。北側が開けているところからは、手前に根石岳、その奥に天狗岳が見えています。根石岳はともかく、後ろに見える天狗岳の登りはキツそうですね……。
夏沢峠から25分ほどで箕冠山(みかぶりやま)に到着しました。標高は2,590メートル。眺望はなく、山頂にはこの道標と、大きな案内図があるだけです。特に見どころもないので、先を急ぎましょう。
樹林帯を抜け広々とした縦走路を登って根石岳へ
箕冠山の山頂からは、急な坂を一気に下ります。ところどころに鉄の枠のような階段がありますが、これは階段というより、土や砂利の流失を防ぐためのものでしょうか。
下り切ると樹林帯から抜け、一気に視界が開けてきます。前方に見えるピークが根石岳です。箕冠山と根石岳の鞍部を少し西側に下ったところに、根石岳山荘があります。黒い看板のところを左に入ると根石岳山荘に行けるようです。
今日は荷揚げの日なのか、根石岳山荘には何度もヘリがやってきていました。荷物を下ろすと、あっという間に旋回して下っていってしまいました。
根石岳に登ります。ハイマツ帯の中に付けられた道をジグザグに登っていきます。
このあたりは、先ほどの箕冠山よりも標高が低いのですが、樹林帯ではなくハイマツ帯になっています。山と山の鞍部で風が強いせいでしょうか。幸い、この日はそれほど風は強くありませんでした。
鞍部から根石岳の山頂までは5分ほど。すぐに山頂に到着しました。山頂には道標がありますが、本当の山頂は、この道標のすぐ右側の岩の上のようです。その岩にも登って、景色を眺めてみました。
北側には東天狗岳、西天狗岳が見えています。次は、右側に見える東天狗岳を目指します。
白浜のような砂礫地を超えて東天狗岳に登頂!
根石岳から下り、東天狗岳との鞍部までやってくると、まるで白浜のような砂礫地があります。本沢温泉から直接天狗岳へと登ることができる白砂新道との分岐(合流点)です。
東天狗岳山頂でお話をした方が白砂新道を登ってきたそうなのですが、かなりの急登だったとか。「白砂新道」の名前に惹かれて登ってみたが、下りでは使いたくないと仰っていました。
東天狗岳への登りです。白い砂礫から、ハイマツ帯のガレた道に変わるあたりから急登になります。足元に気をつけながらゆっくり登っていきます。
山頂近くまでやってくると、大きな岩が積み重なるようなところへ。岩稜帯といってもよいでしょうね。手を使ってよじ登るようなところはありませんが、急登が続きます。
東天狗岳の山頂が近づいてきました。奥には西天狗岳も見えています。こちら側から見ると、岩だらけの険しい東天狗岳に対して、樹林帯の穏やかな山容の西天狗岳と、対照的な山に見えますね。
山頂直下は鎖が張られています。ここを登り切れば山頂です。
東天狗岳山頂に到着! まさに360度の大展望!
10時40分、東天狗岳の山頂に到着しました。標高は2,640メートル。硫黄岳より標高は低いのですが、山頂がそれほど広くないうえに、独立峰のようになっているせいか、周囲を見渡しやすく、素晴らしい眺望が広がります。
南側には、南八ヶ岳の名峰が勢ぞろい。手前は先ほど超えてきた根石岳、その奥には硫黄岳、赤岳、阿弥陀岳が見えています。硫黄岳の山体の大きさや、迫力のある爆裂火口が目立ちますね。
北側には、左奥に見える蓼科山まで続く穏やかな北八ヶ岳の山並み。険しい南八ヶ岳とは対照的に、丘のような森が続いています。手前には今日の宿泊地、黒百合ヒュッテも見えています。
西側には、こちらの東天狗岳と双耳峰をなす西天狗岳。全体的には穏やかな山容ですが、東天狗岳から西天狗岳へは、南東側の樹木がない急斜面を登っていくようですね……。
東側には、遠く、奥秩父の山並みが見えます。写真ではわかりづらいですが、金峰山の五丈岩まではっきりと見ることができました。
北西側の眺望です。手前の高原のようなところが霧ヶ峰、その奥には北アルプスの山々。左端の槍・穂高連峰から、右端の立山連峰まで見えています。本当に素晴らしい眺望で、日本アルプスの名峰がすべて見えるのではないかと思えるほどです。
東天狗岳山頂からの眺望を動画でも撮影してみました。硫黄岳、赤岳、阿弥陀岳などの南八ヶ岳の山々、その奥の南アルプスの山並み、西天狗岳、その奥の北アルプスの山並み、そして、蓼科山など北八ヶ岳の山々と、まさに360度の大展望でした。
ザックをデポして西天狗岳を往復
東天狗岳の山頂にザックをデポして、デジカメとスマートフォン、貴重品だけを持って西天狗岳を往復します。コースタイムでは往復40分ほどです。
まずは、東天狗岳の西側斜面をジグザグに下っていきます。
鞍部からは西天狗岳への登り返しになります。
先ほど東天狗岳から見えていた、南東側のガレた急斜面です。岩に付けられたペンキの印を探しながら登っていきます。
山頂直下は大きな岩がゴロゴロとしています。一応、道っぽいものはあります。どこでも適当に登れそうですが、踏み跡がはっきりしているところのほうが、浮石が少なくて安心です。
急登を登りきって、西天狗岳の山頂に到着しました。標高は2,646メートル。東天狗岳よりも6メートル高く、天狗岳の最高峰は西天狗岳のようです。
西天狗岳の山頂から東天狗岳を眺めてみます。山頂に人がたくさんいるのが見えますね。西天狗岳は、八ヶ岳を南北に貫く縦走路から外れているせいか、東天狗岳よりも人が少なめです。唐沢鉱泉から西天狗岳に直接登るルートがありますが、結構な急登のようです。
西天狗岳からは、根石岳や箕冠山の西斜面が見えますが、大きく崩れていますね。鞍部には根石岳山頂が見えますが、強風の影響を避けるためか、少し低くなったところに建てられています。相変わらず、荷揚げのヘリが何度も行き来をしています。荷揚げを終えて、斜面を駆け下るように下界へ下りていくヘリは迫力があります。
東天狗岳からは西天狗岳に隠れて見えなかった、茅野や諏訪の街並みや琵琶湖を望めます。その奥に御嶽山も見えています。
立山~鹿島槍~白馬三山と続く北アルプス北部の山々もくっきり! 北アルプスのオールスターが勢ぞろいです。
東天狗岳山頂で軽いランチタイム
しばらく西天狗岳の山頂で景色を楽しんでから、東天狗岳に戻ります。西天狗岳山頂直下の急坂の下りは思ったほど怖くはありませんでしたが、東天狗岳への登り返しが堪えます。
双耳峰というには少し距離がありますね。谷川岳のオキの耳とトマの耳はもう少し近かったような……。
何とか登りきり、デポしたザックを回収。空いている場所を探して腰かけて、ランチタイムにします。持参したランチパックを食べます。ちょっと潰れ気味なのはご愛敬。絶景を眺めながらのお昼は最高ですね。
もう少しゆっくりして行こうかと思ったものの、冷たい風で体が冷えてきたので、ぼちぼち下ることにしましょう。
【黒百合ヒュッテ】中山峠を経由して黒百合ヒュッテへ
東天狗岳から、今日の宿となる黒百合ヒュッテへ下ります。大きな岩が多い急坂を下って、中山峠からは木道を歩きます。
東天狗岳山頂直下の急坂を慎重に下る
まず東天狗岳北側の急坂を下ります。根石岳から登ってくる道も最後の方は急登でしたが、こちらも負けていません。東天狗岳はどこから登っても最後は険しい道になるようですね。
尾根筋の少し西側に付けられた道を下っていきます。正面には蓼科山など北八ヶ岳の森が広がっているのが見えますが、あまり景色に見惚れていると危ないです。
かなり急な岩場を下っていきます。下るのも少し怖いですが、ここを登るのも大変でしょう。
山頂から10分ちょっと下ると分岐に出ました。尾根筋から西側へ下って、すりばち池を経由して黒百合平へと至るルートと、尾根筋をそのまま歩いて中山峠から黒百合平へと下るルートがあります。どちらでもそれほどコースタイムは変わらないようでしたので、中山峠を経由するルートを選択しました。
分岐から西側を見ると、平らで池が点在する盆地のような地形が見えます。これが黒百合平でしょう。黒百合平の端っこには、黒百合ヒュッテが建っています。少し木々の色づきが始まっていますね。
ゴーロ帯のような尾根道を下って中山峠へ
分岐からは尾根伝いに下っていきます。前方に見えるの右側(東側)が切れ落ちている山は稲子岳でしょうか。このあたりは紅葉が進みつつありました。
しばらくやや細い道を下っていきますが……
すぐに尾根伝いの岩の道になります。右側は崖のように切れ落ちているので注意です。
だんだん大きな岩が多くなり、ゴーロ帯のような道になってきました。ところどころ、左側(西側)の森の中へ下りられそうなところもあって、道がわかりづらくなっています。YAMAPの地図やコメントを確認しながら、慎重に道を見定めて下っていきます。
広々としたところに出ました。蓼科山が手前の山に隠されるようになってきたことからも、だいぶ下ってきたことがわかります。手前の山は、黒百合平の北側にある「中山」ですね。
この場所は休憩に良さそうなのですが、ここまでくれば黒百合ヒュッテまでもう少しなので、休憩せずに下っていくことにします。
振り返ると、天狗岳が見えました。右側は西天狗岳、左側は東天狗岳から南側へ伸びている尾根のようです。この左側の尾根を下ってきたことになります。
樹林帯に入ると、針葉樹が大規模に枯れたところがありました。縞枯れ現象でしょうか? 縞枯れといえば、ここからもう少し北へ行ったところにある縞枯山が有名ですが、中山峠の近くでも見られるのですね。
中山峠から木道を歩いて黒百合ヒュッテへ
東天狗岳から45分ほどで中山峠に下ってきました。
中山峠から下るルートを選択したのは、時間があれば「にゅう」へ往復してもいいかな?と思ったからでした。明日、お天気が良ければ、にゅう~白駒池~麦草峠のルートを歩く予定にしていたのですが、この時点で明日は朝から雨になりそうなことがわかっていましたので。
ただ、先ほどの広場から見ると、にゅうはかなり遠く、コースタイムでも中山峠から往復で2時間。暗くなる前に戻ってこられそうではありましたが、少し疲れてきてもいたので、またの機会にすることにしました。
ということで、黒百合ヒュッテへ向かいます。中山峠から黒百合ヒュッテまではほぼ水平移動。ずっと木道が敷かれていて歩きやすくなっています。
黒百合ヒュッテに到着! 夕食の時間までまったり過ごす
テント場を超えれば、すぐに黒百合ヒュッテに到着です。
とりあえず宿泊の手続きをします。2階の相部屋ですが、部屋に上がれるのは16時半からということで、それまでは1階の共用スペースで過ごします。共用スペースはかなり広いので、のんびりくつろげます。
売店でビールを購入して、外のテーブルで乾杯! まだ日差しがあって暖かいですが、予報通り、午後になってだいぶ雲が多くなってきました。
ここで明日の天気予報をもう一度チェック。今回の登山にやってくる前日までは曇り予報だったのですが、日に日に予報が悪化。夜中から雨で、午後まで降り続く予報になっていました。
明日の予定を変更し、黒百合ヒュッテから最も近い唐沢鉱泉に下山することにしました。唐沢鉱泉には、今年から「日帰りお疲れ様プラン」という、茅野駅までの送迎付きのプランができたので、電話でこれを予約。これで、下山後の駅までの足も安心です。
ハンバーグの夕食をいただいて20時に就寝
夕食は17時半から。メインはハンバーグです。テーブルには、デミグラスソースとおろしソースの2種類が置かれていて、好みの方をかけて食べるスタイルです。
ハンバーグはおいしいですし、付け合わせも豊富で、ごはんをおかわりしてしまいました。
その後、20時前には2階の寝室で就寝。この日は宿泊する人がそれほど多くなく、相部屋をゆったりと使うことができました。
【唐沢鉱泉】雨の登山道を下山、唐沢鉱泉で温泉とランチを楽しんでから帰宅
翌日は予報どおり朝から雨。雨が少し弱まった午前8時前に出発、雨の中を1時間半ほど下って唐沢鉱泉に下山しました。「日帰りお疲れ様プラン」で温泉とランチを楽しんでから、茅野駅まで送迎してもらいました。
雨が弱まるのを待ってから下山開始
夜半過ぎから雨が降り始め、夜中に少し目が覚めた時には、雨が山小屋の屋根を叩く音がするほど降っていたようです。5時過ぎに起床。
朝早く出る予定にしていたので、朝食は付けませんでした。売店でポカリスエットを買って、持参した無印良品の不揃いバウムを朝食にします。
その後は、雨が強くなったり弱くなったり。大雨というほどではないにせよ、しっかりと降っています。
電波があまりよくないのですが、雨雲レーダーを眺めながら、雨が弱まるタイミングを待ちます。まあ、気休めみたいなものですが(笑)
午前8時前、少し雨が弱まってきたところを見計らって出発します。多くの人たちは、すでに出発したあとです。
傾斜が緩い「パノラマコース」で唐沢鉱泉へ下山
すぐに樹林帯に入りますので、降ってくる雨はそれほど気になりません。が、黒百合ヒュッテからしばらくは、このような岩が多めの道が続きます。濡れた岩の上を歩かざるを得ないので、滑らないようにかなり気を使います。
木道が整備されているところもありますが、濡れた木道は滑るので要注意ですね。
黒百合ヒュッテから40分ほど下ると分岐があります。唐沢鉱泉へは、左の道がコースタイム1時間ほどでもっとも近いのですが、黒百合ヒュッテの方によると急な坂が続くとのこと。右側の渋の湯のほうへ向かう道は、少し遠回りになりますが、傾斜が緩やかということで、こちらの道を進むことにします。YAMAPの地図によると「パノラマコース」とあります。
これまでよりも傾斜は緩くなったとはいえ、分岐からしばらくはそれなりに下ります。雨水が集まりやすい道なのか、川のようになっているところもありました。
少し下るとまた分岐があります。右へ行くと渋の湯に下ることができます。渋の湯へは茅野駅から路線バスがあるのですが、この時期は土休日のみの運行。平日はバスはありません。直進して唐沢鉱泉を目指します。
この分岐から先は、ほぼ平坦な歩きやすい道になりました。道が狭く、ところどころ水没しているようなところもありましたが、これまでの岩の上を歩くようなところと比べると、格段に歩きやすいです。
渋の湯への分岐から20分ほど下ると、再び分岐があります。ここを左に下ると、コースタイム30分ほどで唐沢鉱泉です。
この先は、道幅も少し広くなります。急な下りはほとんどなく、水たまりもないので、歩きやすいです。このルートは、雨の時だけでなく、下りで活用すれば、膝への負担が軽減されそうです。
午前9時半、無事に唐沢鉱泉に下山しました。ずっと樹林帯ですので、降ってくる雨はほとんど気になりませんでしたが、昨夜からかなり降ったようで、足元を気にしながらの下山となりました。
唐沢鉱泉の「日帰りお疲れ様プラン」で温泉とランチを楽しむ
唐沢鉱泉の受付で「日帰りお疲れ様プラン」を予約していることを告げ、代金5,500円を支払います。その後、濡れたウェアを乾燥室で乾かしながら、秘湯の温泉で温まりました。
ランチは牛丼のセットを注文。牛丼のボリュームもさることながら、付け合わせやデザートまでたっぷりで大満足でした。食後のコーヒーまでついています。
温泉、ランチ、茅野駅への送迎がセットになった「日帰りお疲れ様プラン」は5,500円。要予約ですが、公共交通機関利用の登山でも、路線バスのない唐沢鉱泉を下山に利用できるのはありがたいです。
唐沢鉱泉の「日帰りお疲れ様プラン」のについては、予約の段階から利用当日の様子まで、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
昼食後は、ワゴン車で茅野駅まで送ってもらい、無事に帰宅しました。
登山と温泉の両方を楽しめる秋の八ヶ岳登山
2023年10月上旬の、硫黄岳・天狗岳の登山の様子をお届けしました。
秋晴れに恵まれて、硫黄岳・天狗岳の登山は素晴らしいものになりました。どちらの山も山頂からの眺望が素晴らしく、大満足の登山となりました。
さらに、初日は本沢温泉で野天風呂や内湯に入り、3日目に唐沢鉱泉の秘湯で温まることができ、温泉も楽しむことができました。特に、本沢温泉の野天風呂は、一度入ってみたいと思っていたところでしたので良かったです。
3日目が雨になってしまい、にゅう~白駒池など北八ヶ岳の森歩きができなくなってしまいましたが、これは次回にとっておこうと思います。
今回の主な登山装備
- 長袖のメリノウールシャツ(モンベル)
- 長袖の化繊ウェア(モンベル)
- ソフトシェル(モンベル)
- アルパインライトパンツ(ノースフェイス)
- 登山靴(モンベル アルパインクルーザー2300)
- ザック(ミレー サースフェー40+5)
- レインウェア(レイントレッカージャケット+サンダーパスパンツ モンベル)
- 膝サポーター(ザムスト EK-3)
- トレッキングポール(シナノ)
- 飲み物 合計1.5リットル(ナルゲンボトル1000ml+ペットボトルの水500ml)
- お昼ご飯、行動食等
- ファーストエイドキット
- ヘッドライト
- 着替え(長袖Tシャツ, 下着等)
行動中は、長袖のメリノウールのアンダーシャツと長袖の化繊ウェアの2枚をベースに、朝の気温の低い時間帯や、稜線を歩くとき、山頂での休憩時は、ソフトシェルを羽織りました。何度もソフトシェルを脱いだり着たりして、温度調節が難しい登山でした。ただ、そのおかげで、あまり汗冷えをすることはありませんでした。
3日目は本当に久しぶりの雨の山歩き。ずっと樹林帯でしたので、雨に打たれ続けるといったことはありませんでしたが、それなりに濡れました。電車で帰宅する前に、唐沢鉱泉の乾燥室でレインウェアなどを乾かすことができたのはよかったですね。
以上、「【八ヶ岳】秋の硫黄岳・天狗岳に登り麓の温泉を楽しむ2泊3日の山旅! ~硫黄岳・天狗岳登頂編~」でした。硫黄岳、天狗岳の山頂から絶景を楽しむことができて大満足の山旅となりました。3日目の雨は残念でしたが、改めて北八ヶ岳のトレッキングを計画したいですね。
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