10月中旬、紅葉を眺めに安達太良山に登ってきました。ロープウェイで山頂駅まで上り、薬師岳からの紅葉を堪能したあと安達太良山の山頂へ。稜線から異世界のような沼ノ平の火口を眺めたあと、勢至平から下りました。平日なのに登山者が多く、道が狭いところは大渋滞! 山歩きを楽しむ雰囲気ではありませんでしたが、素晴らしい紅葉と山頂からの絶景を満喫できました。
紅葉の名所、安達太良山へ!
安達太良山は、福島県にある日本百名山の山です。広義の「安達太良山」は南北に連なる火山帯の総称ですが、その中のピークの一つが安達太良山です。
安達太良山の標高は1,700メートル。そこそこの高さがありますが、駐車場やバス停がある山麓から「あだたら山ロープウェイ」で山頂駅までやってきてしまえば、山頂までの標高差は400メートル弱。1時間半~2時間ほどの登山です。
今回歩いてきたルートは以下のとおりです。
今回の目的は紅葉を眺めることでしたので、歩く距離はできるだけ短めにして、ゆっくり歩くことにしました。
奥岳バス停からあだたら山ロープウェイで山頂駅まで登ってからのスタート。山頂駅からすぐのところにある薬師岳から、安達太良山山腹の素晴らしい紅葉を眺めたあと、山頂を目指します。
山頂で絶景を眺め、お昼休憩をとったあとは、稜線を少し北上して、沼ノ平の火口を眺めます。すぐ近くの矢筈森という小ピークに登ったあとは、勢至平からバス停まで下山。くろがね小屋が工事中で、くろがね小屋を経由する登山道が通行止めになっていたため、勢至平の狭い登山道から下りました。
主な行程は以下のとおりです。
- 09:55 あだたら山ロープウェイ山頂駅 出発
- 10:00 薬師岳
- 11:15 安達太良山山頂 到着(お昼休憩)
- 11:45 安達太良山山頂 出発
- 12:10 矢筈森
- 14:10 あだたら山ロープウェイ山麓駅 下山
距離は9.2km、累積標高は、上り400メートル、下り800メートルの緩めの登山でした。
安達太良山 奥岳登山口への公共交通機関でのアクセス
安達太良山のメインの登山口となる奥岳登山口(あだたら山ロープウェイ山麓駅)へは、JR東北本線の二本松駅から福島交通の路線バスでアクセスします。
二本松駅は、郡山駅と福島駅の中間あたりにある駅です。関東から東北新幹線で行く場合には、郡山駅で新幹線を下車して、東北本線の普通列車に乗り換えて22分ほどです。
- バス路線名: 奥岳線
- 運行会社: 福島交通
- 運行経路: 二本松駅~岳温泉~奥岳
- 運行期間: 通年
- 運賃(最寄駅から): 800円
- Webサイト: 福島交通 奥岳線
- 概要: 安達太良山の主要な登山口「奥岳登山口」へは、二本松駅(最寄駅)から福島交通の路線バス「奥岳線」に乗車し、約50分の終点「奥岳登山口」バス停で下車します。運賃は800円です。この路線バスは平日のみ運行で、土休日は運休となります。紅葉の時期の土休日には、「奥岳臨時便・錦秋号」が運転されます。
二本松駅から奥岳登山口へのバスは、平日の1往復しかありません。土休日は運休となりますが、例年、紅葉シーズン(10月~11月上旬)には、「奥岳臨時便・錦秋号」が運転されます。二本松駅~奥岳登山口のバスは1往復のみですが、岳温泉~奥岳登山口のバスが他に2往復運転されます。二本松駅~岳温泉の路線バスはそれなりの本数がありますので、下山後に岳温泉で日帰り入浴を楽しむこともできます。
東京駅を朝一番の東北新幹線「やまびこ」で出発すると、平日、紅葉時期の土休日の奥岳行きのバスに間にあいます。二本松駅での乗り継ぎ時間は5分もありませんが、東北本線の下りホームの前がすぐ改札口で、改札口を出ると目の前がバスターミナルですので、十分に間にあいます。
奥岳登山口のバス停は、あだたら山ロープウェイ山麓駅の前です。すぐにロープウェイに乗り継ぐことができ、5分ほどで山頂駅に到着します。
安達太良山へのアクセスと、あだたら山ロープウェイについては、以下の「あだたら高原リゾート」のWebサイトにわかりやすく掲載されています。
【登山口アクセス】東北新幹線+東北本線+路線バス+ロープウェイで山頂駅へ
自宅のある東京から福島県の安達太良山に日帰り登山するには、新幹線の力を借りなければなりません。東北新幹線、東北本線、路線バス、ロープウェイを乗り継いで、ようやくロープウェイ山頂駅に到着しました。
東北新幹線と東北本線を乗り継いで二本松駅へ
自宅から大宮駅に出て、「つばさ121号」に乗車します。この1本前の「やまびこ51号」でも間にあいますが、つばさ121号は全車指定席、やまびこ51号は指定席が4両のみ。大宮駅で見ていましたが、つばさ121号のほうがかなり空いていました。
つばさ121号を郡山駅で下車して、東北本線の福島行きの列車に乗車。ちょうど通勤・通学時間帯でしたので、座ることはできませんでしたが、20分ちょっとで二本松駅に到着するので問題はありません。
二本松駅の改札を出ると、バス停にはすでに長蛇の列! 東京方面から新幹線で乗り継ぐと、この列車よりも早く到着することはできないので、地元の方々が多いのでしょうか。
やってきたバスは1台のみ。座ることはできませんでしたが、私を含めて、並んでいた人たちはぎりぎり乗車できました。かなりぎゅうぎゅう詰めではありますが……。
超満員のバスで奥岳登山口に到着
途中の岳温泉でさらに数名の乗車があり、東京のラッシュの時間帯でもめったにないほどの大混雑に。定員オーバーなのか、奥岳登山口へ向かう坂で速度が出ず、時速20~30kmほどのノロノロ運転。何度もエンストしそうになりながら、10分遅れで、何とか奥岳登山口のバス停に到着しました。
平日なのにこの混雑です。紅葉の安達太良山、恐るべし。今回の行程では、二本松駅から奥岳登山口までのこの路線バスが核心部でした……。
「あだたら山ロープウェイ」で山頂駅へ
奥岳登山口から登り始めることもできますが、今日は紅葉を眺めるのが目的ですので、文明の利器を活用します。バス停のすぐ近くに「あだたら山ロープウェイ」の山麓駅がありますので、ロープウェイに乗って山頂駅まで標高を上げます。
ロープウェイのチケット売り場も大行列! と思いきや、こちらは10分ほどの待ち時間でチケットを購入することができました。下山はバス停まで歩いて下る予定なので、片道1,200円のチケットを購入します。
ロープウェイから中腹の紅葉を眺める
チケット購入後は、すぐにロープウェイに乗ることができました。混雑時は相席をお願いしますとのことでしたが、1グループ1ゴンドラの案内となっていました。ソロの私はゴンドラを独り占め。
山頂駅まではたった5分の乗車ですが、ロープウェイからの眺めも素晴らしいです。
ロープウェイの山頂駅の少し手前から、安達太良山の中腹を眺めることができますが、ここの紅葉が特に素晴らしいです。標高1,100メートルを超えたあたりですが、10月中旬のこの時期、中腹の紅葉が見頃を迎えています。
午前9時40分、早朝に自宅を出てから、ようやくスタート地点となるロープウェイ山頂駅に到着しました。いつも電車やバスを乗り継いで登山口まで行くので、こういうのは慣れているのですが、やはりあのバスの混雑が相当効きましたね……。
【薬師岳】薬師岳パノラマパークから見頃の紅葉を堪能
ロープウェイ山頂駅の休憩所で支度を済ませて出発しますが、山頂駅からすぐのところにある「薬師岳パノラマパーク」に寄り道します。安達太良山の中腹の紅葉が素晴らしく、紅葉を眺めるだけならここで十分と思えるところでした。
ロープウェイ山頂駅を出発
ロープウェイ山頂駅には、テーブルや椅子が置かれた無料休憩所があります。ここからの眺望もなかなか良いですね。休憩所でトイレと支度を済ませて出発します。
ロープウェイ山頂駅から薬師岳パノラマパークまでは、木道や木段が整備された道が続きます。登山装備のない観光客でも余裕で歩ける道になっています。観光客に混ざって、パノラマパークを目指します。
薬師岳パノラマパークで「ほんとの空」と絶景紅葉を満喫!
山頂駅から5分もかからずに開けたところに出ると、そこが薬師岳パノラマパークです。
広場の入口近くには、高村光太郎の詩集『智恵子抄』で有名な「この上の空がほんとの空です」と書かれた標柱があります。この日のお天気はまさに快晴! 「ほんとの空」を眺めることができました。
そして、標柱には記念撮影の列ができています。やはり有名なんですね。
広場の奥の方には「薬師岳」の山頂標柱があります。このあたりは視界が開けていて、安達太良山の山腹の紅葉の眺めが素晴らしいです。
薬師岳から眺める紅葉はこのとおり! なだらかな斜面にこれでもかというほどの色づいた木々! 見ているだけで圧倒されますね。赤というより橙色が多い紅葉です。
登山客も観光客もたくさん登ってきていて、薬師岳パノラマパークは大賑わい! 観光客はここまでの方が多いと思いますが、この紅葉を眺められるのであれば十分ですね。
写真左の少し出っ張ったところが安達太良山の山頂のようです。これからあそこを目指して登っていきます。
【安達太良山】渋滞の登山道を抜けて絶景が広がる山頂へ
大渋滞の登山道をゆっくり登り、安達太良山の山頂へ。樹林帯を抜けてからは、紅葉と下界の絶景を眺めながらの登山。岩の上にある山頂まで登って、絶景を堪能しました。
大渋滞の登山道を登り森林限界へ
薬師岳からしばらくは木道が敷かれた歩きやすい道が続きます。
が、だんだん狭い登山道になってきます。行き違うのも気をつかうほどの狭さなので、自然と渋滞が発生します。早朝から登っていた方でしょうか、降りてくる人もかなりいるため、早い人を先に行かせるといったこともままならず、しばらく渋滞が続きました。まあ、焦っても仕方がないので、のんびり行きましょう。
薬師岳からしばらく登ると、少し開けたところに出ました。ここから眺める紅葉も見事! 「錦秋」とはこのことか!
標高がだんだん高くなり、色づいた木々の中を登っていくような道になります。といっても、まだ樹林帯が続き、登山道の両側は笹や低木に覆われていて、樹木に遮られてしまうと、あまり紅葉を感じることはありません。狭いところでは相変わらず渋滞しますね……。
森林限界を抜けたあたりから、岩や大きな石が多くなり、登りの傾斜もやや急になります。ただ、道が広くなったため、だいぶ歩きやすくなりました。自分のペースでストレスなく登れるのがありがたいですね。
紅葉と下界を眺めながら安達太良山山頂へ
だいぶ視界が開けて広々としてきましたが、やはり登山者は多いですね……。
ところどころで登山道が広くなっていて、休憩している人もたくさんいます。そんなところで休みながら振り返ってみるとこの絶景! 大混雑のバスと登山道渋滞でどうなることかと思いましたが、来てよかった!
薬師岳から見上げた山腹の紅葉を、今度は見下ろす形になります。森林限界を超えた草地の草紅葉とあいまって、見事な眺めです。さすが、紅葉の名所だけのことはありますね。
景色に見とれていない先を急ぎましょう。山頂が近くなってくると、急な登りが増えてきます。が、それほど長くは続かないので、心配はいりません。
そして、山頂が見えてきました! ドーム状に盛り上がっているところが山頂ですが、山頂は狭いので、休憩する人たちは山頂下の広場で休んでいますね。
山頂下の広場に山頂標柱がありました。が、せっかくなので、あの岩の上の山頂にも登ってみましょう。
山頂からの大展望と紅葉!
山頂への道は岩場や鎖場が続きます。山頂下の広場までは、渋滞はあったものの、危険箇所はほとんどありませんでしたが、この山頂への登りは少し注意を要します。
ストックを持ってたらしまった方がいいでしょう。ストックを持ったまま登っていた人が、かなり登りづらそうにしていましたので……。
11時10分過ぎに安達太良山の山頂に登頂! 山頂には小さなお社と、「安達太良山」と大きく書かれた看板がありました。
安達太良山山頂から西側には、船明神山があります。安達太良山の北側にある沼ノ平火口の外輪山の一つです。その奥で山頂に雲がかかっている山が磐梯山です。
北側の眺めです。安達太良山から続く稜線が、鉄山を経て箕輪山まで続いています。このあたりが広義の「安達太良山」の火山帯ですね。奥に見える箕輪山が、安達太良火山の最高峰(1,728メートル)です。
紅葉も見事ですが、この火山らしい稜線や山並みも見ごたえがありますね。
南側には「和尚山」があります。安達太良山と和尚山の鞍部から中腹にかけての紅葉がまた見事でした。あの和尚山の稜線は気持ちよさそうですね。
安達太良山は強風が多いのですが、山頂に立つとやはり風が強いですね。西風なので、東側の山麓から登ってくるときはほとんど風がなかったのですが、山頂についた瞬間、強い風が吹いてきました。
山頂下で紅葉を眺めながらのお昼休憩
しばらく山頂で景色を楽しんでいましたが、風が強くて寒くなってきたので、山頂下へ降りることにしましょう。
登ってくるときとは反対側のルートから下ります。ハシゴがかけられていて、登りのルートよりは難易度は低そうでした。やはり、山頂から降りてくると風がほぼないですね。
そういえば、前日は強風で長時間、ロープウェイが運休していたそうです。あだたら山ロープウェイは、安達太良山の東斜面に架けられているので、今日のような西風であれば、あまり影響を受けないと思いますが、前日は風向きが違ったのかもしれません。
適当なところに腰を下ろして、お昼休憩を取ります。持参したおにぎりを食べました。山頂下はとても広いので、休む場所がないなんてことはないでしょう。たぶん……。
安達太良山東側の山腹の紅葉がいちばんきれいに色づいていますね。ロープウェイや薬師岳から見えたところです。この景色を眺めながらのランチは最高です。
【沼ノ平・矢筈森】荒涼とした沼ノ平火口と外輪山「矢筈森」からの眺望
安達太良山から北側へ少しだけ稜線を歩いて、沼ノ平の火口を眺め、すぐ近くにある外輪山の一つ「矢筈森」に登りました。迫力のある火口の姿は、すぐ近くの色づいたなだらかな山腹の姿とは対照的でした。
安達太良山から稜線を歩いて沼ノ平火口の近くへ
安達太良山から北側へ少しだけ稜線を歩きます。稜線は広く開放的で歩きやすいのですが、風がやや強め。西側からの風が吹き抜けていくためでしょう。
稜線に沿ってハイマツがないのは、強風のせいなのか、人が歩くせいなのか……。
10分弱で、沼ノ平の火口の近くまでやってきました。この写真の向こう側は崖になっていて、その下が火口です。右側の少し盛り上がったところに登ると、沼ノ平の火口を一望できます。
沼ノ平の火口です。火星のようだとか、異世界のようだとか言われますが、たしかにこの荒涼とした景色を目の当たりにすると、「なるほど、確かに」と納得します。火山ガスが出ているせいで、植物もまったくありません。
以前は、この沼ノ平の火口の中を歩くことができたそうですが、火山ガスによる死亡事故が発生して以来、立ち入り禁止になっているそうです。かすかに硫黄の臭いが漂ってきます。
火口の奥に見えるのは、裏磐梯にある秋元湖です。安達太良山は磐梯山のすぐ近くなのですね。
歩いてきた稜線を振り返ると、ちょこんと飛び出した安達太良山の山頂が良く見えます。山頂にたくさん人がいるのがわかりますね。
沼ノ平火口の外輪山「矢筈森」へ
あとは下山するだけなのですが、その前にすぐ近くにある「矢筈森」(やはずもり)というピークに登ってきます。先ほど眺めてきた沼ノ平火口の外輪山の一つです。
下山するときは、矢筈森の手前の登山道を下りますが、その分岐から矢筈森の山頂までは10分もかからずに登ることができます。
稜線から矢筈森へ登る分岐です。ここから右奥に見えている矢筈森を登っていきます。山頂までは5分ほど。
あっという間に山頂に到着です。山頂には何もありませんが、東側が開けていて眺望はなかなか良いです。奥に見えるのは福島盆地ですね。
ここに登ってくる人はそれほど多くないようなので、ゆっくり休憩したいときには良い場所かもしれません。山頂はそこそこ広いです。
東側の眺望です。下界の街並みと紅葉が見事です。このあと、この紅葉を眺めながらの下山となりますので、楽しみです。
北~西側は、安達太良山からの稜線と沼ノ平火口の外輪山の荒涼とした景色が続きます。右奥に見える鉄山も沼ノ平火口の外輪山の一つ。標高は1,700メートルで、安達太良山とほぼ同じです。
途中ですれ違った方が、鉄山への稜線は風が強くて歩くのが大変だったと仰っていました。ここから鉄山までの稜線は、西側に火口があって遮るものが何もないので、強風が吹きつけるのでしょうね。
【下山】紅葉を眺めながら峰の辻から勢至平を経由して下山
下山はロープウェイを使わずに歩いて下ることにします。くろがね小屋工事の影響で、くろがね小屋に至る登山道が通行止めのため、少し南側にある勢至平を通る登山道から下山します。山腹の紅葉は素晴らしかったですが、途中、泥濘の狭い道で渋滞が発生し、下山に少し時間がかかりました。
矢筈森の南側を通って峰の辻へ
矢筈森から下り、分岐まで戻ってきました。下山はロープウェイを使わずに、バス停まで歩いて下ります。
矢筈森の南側を迂回するような形で下っていきます。矢筈森のすぐ東側には、カッコいい岩峰が! このあたりは標高が高いので、紅葉は終わりかけですね。色褪せた低木が目立ちます。
こんな気持ちの良い道を下っていきます。このあたりは、傾斜はゆるいですし、視界も開けていますので、快適に歩けます。
分岐から10分ちょっとで「峰の辻」という開けた場所に着きました。大勢の人が休憩していますが、この眺望と平らな広場は、休憩にぴったりですね。私も少しだけ休憩していくことにします。
中腹の紅葉を眺めながらの下山
峰の辻からくろがね小屋へは30分ほどなのですが、今は工事中のため、登山道を含めて通れなくなっています。案内看板によると、土休日は休工なので登山道は通れるようです。今日は平日なので、登山道も通れません。
くろがね小屋の温泉も惹かれるので、また別の機会にリベンジしましょう。
くろがね小屋を経由する道よりも少し南側の「勢至平」を通る登山道で下っていきます。くろがね小屋に立ち寄れないのは残念ですが、それでもこの眺望には目を奪われます。ちょうど下っていく方向にこの景色が見えるので、よそ見をして転ばないように注意が必要なほどです(笑)
峰の辻からは、しばらくこんな感じのところを下っていきます。ちょうど、紅葉が見ごろの中腹を下っていくので、下山するときも紅葉狩りを楽しめるのがいいですね。
右前方にこんもりとした山が見えてきました。標高1,548メートルの「篭山」です。登山道はないようです。この道は、篭山の西側を下っていきます。
いやー、最高ですね、この紅葉! 薬師岳あたりから眺める紅葉も良かったですが、こちらも負けていません。すぐ近くから眺められるという意味では、こちらのほうが圧倒されますね。
沼ノ平火口から東側へと続く尾根の紅葉です。上のほうはもう終わっていますが、谷筋あたりは橙色が見事です。
ドロドロ渋滞を超えて奥岳登山口に下山
しばらく下ってくると樹林帯に入ります。紅葉の絶景とはお別れです。ここからはサクサクと下っていこう! と思ったのですが……
少し樹木が途切れたところからは、まだ紅葉を眺めることができました。ですが、どんどん道が狭く、そして足元がドロドロになってきて、紅葉を眺めている場合ではなくなってきました。
このあと、30分以上にわたって、ひどい泥濘の狭い道が続きました。渋滞も発生していて、なかなか進めません。まあ、あとは下るだけなので、のんびり、足元にだけ気をつけて下っていきましょう。
装着していたゲイターはどろどろになりました。時期的なものなのか、いつもこうなのかはわかりませんが、安達太良山に登る際には、ゲイター持参をおすすめします。
泥濘の道を抜けると、林道のような歩きやすい道へ。これで一安心かな?
途中から「馬車道」という林道のような道と、狭い登山道(旧道)に分かれます。どちらでも下れますが、馬車道はつづらおりで傾斜は緩いですが距離は長め、旧道は直線的に下るので距離は短いですが、狭くてすべりやすい道です。どちらでもよかったのですが、旧道を下りました。
午後2時過ぎ、奥岳登山口まで下山しました。途中、渋滞に巻き込まれましたが、意外と早く下ることができました。
岳温泉「岳の湯」で汗を流して帰宅
あだたら山ロープウェイの山麓駅は、大勢の観光客で賑わっていました。この時間から登っても、薬師岳までであれば十分に楽しめますからね。
1日1本しかないバスの時間までは2時間近くあります。どうしようかと思っていたら、途中から一緒に下ってきた方が、岳温泉まで車で送ってくれるとのこと。非常に助かりました。
岳温泉のバス停まで送っていただきました。ありがとうございました!
岳温泉まで下りてくると、二本松駅へのバスがそれなりにあります。ただ、次のバスの時間まで1時間近くあるので、すぐ近くの「岳の湯」に入ることにしました。バス停と道路を挟んですぐ反対側にあります。
入浴料はたったの400円! 公衆浴場のようですが、お湯はしっかりとした温泉です。岳温泉のお湯は単純酸性泉。やや熱めのお湯で、あまり長く浸かっていることはできませんでしたが、かなり温まりました。
岳温泉始発の二本松駅行きのバスに乗車しましたが、朝の超満員のバスがうそのように空いています。温泉に入ることができて、空いているバスで駅まで戻ることができて、助かりました。
このあとは、二本松駅から、朝の乗り継ぎを逆にたどって帰宅したのでした。
安達太良山の紅葉は一見の価値あり! ただし混雑は覚悟で!
ということで、安達太良山に紅葉を見に行ってきました。
登山を始めてから何度か安達太良山の紅葉登山を計画したのですが、ものすごい混雑だという話を聞いていたのでひるんでいました。今年、お天気が良さそうな平日に行けそうだったので、意を決して突撃しましたが、噂に違わず素晴らしい紅葉でした。大混雑を覚悟してでも、わざわざ見に行く価値があるのは間違いありません。
ただ、平日でこの混雑ですから、紅葉シーズンのお天気の良い土休日は想像を絶する混雑になりそうです。私のように公共交通機関で安達太良山に登りに行く方は、二本松駅からのバスの混雑は覚悟した方がよさそうです。もっとも、ぎゅうぎゅう詰めでも、乗れさえすれば、登山口まで運んでくれます。
また、紅葉以外にも、山頂からの眺望や、沼ノ平火口の荒涼とした風景など、山としても魅力的でした。ただ、今回はあちこちで渋滞にはまり、山歩きそのものを楽しめる感じではありませんでしたので、もう少し空いている時期にまた登ってみたいですね。今回、工事中で立ち寄れなかったくろがね小屋の温泉にも入ってみたいですし。
今回の主な登山装備
- 長袖のメリノウールのアンダーシャツ(モンベル)
- 長袖の化繊ウェア(モンベル)
- ソフトシェル(モンベル)
- ライトトレッキングパンツ(モンベル)
- 登山靴(モンベル マウンテンクルーザー600)
- ザック(グレゴリー ズール30)
- レインウェア(レイントレッカージャケット+サンダーパスパンツ モンベル)
- 膝サポーター(ザムスト EK-3)
- 飲み物 合計1.5リットル(ナルゲンボトル1000ml+ペットボトルの水500ml)
- お昼ご飯、行動食等
- ファーストエイドキット
- ヘッドライト
- 着替え(半袖Tシャツ)
ひさびさの日帰り登山装備です。登りは、メリノウールのアンダーシャツ+化繊の長袖シャツの2枚で十分でした。稜線に出て風が強くなると寒くなるので、ソフトシェルを羽織りました。
今回は、新しく買った登山靴「マウンテンクルーザー600」(モンベル)での初登山。靴ずれなどはなく、おおむね問題ありませんでした。まだなじんでいないのか、靴紐の結び方が良くないのか、右足の甲がやや当たる感触がありました。ただ、痛むようなことはなかったので、なじんでくれば大丈夫かなと思っています。
最近は、低山もアルプスも履き慣れた「アルパインクルーザー2300」ばかりでしたが、ミドルカットのマウンテンクルーザー600に慣れてくれば、低山はこちらをメインにしようと思います。
以上、『【安達太良山】ほんとの空の下、錦秋を堪能する紅葉登山!』でした。想像以上の素晴らしい紅葉を見ることができたので、混雑に負けずに行って良かったです。今度はもう少し落ち着いた時期に、山歩きを楽しみに行ってみたい山ですね。
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10月上旬に平標山・仙ノ倉山に日帰り登山したときの記録です。山頂付近では紅葉が始まっていて、平標山~仙ノ倉山の稜線では草紅葉もきれいでした。
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